教育虐待 子供を壊す「教育熱心」な親たち (ハヤカワ新書 005)
- 早川書房 (2023年6月20日発売)


- 本 ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784153400054
作品紹介・あらすじ
教育虐待とは、教育の名のもとに行われる違法な虐待行為だ。それは子どもの脳と心をいかに傷つけるのか。受験競争の本格化から大学全入時代の今に至るまでゆがんだ教育熱はどのように生じ、医学部9浪母親殺人事件などの悲劇を生んだのか。親子のあり方を問う。
感想・レビュー・書評
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解決策はないが、実態を把握するためには良い
日本にまだない虐待形態だとのこと。この言葉が広がれば良いなとおもう。
書かれている内容は、この本を手に取る人なら見聞きしたことあると思われるが、思考する契機にはなると思う。例示が多く実態例を把握できる詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
あらゆる親が読むべき一冊と思いました。身体的虐待、心理的虐待、ネグレクトのいずれにも当てはまる可能性がある教育虐待は、こどもの権利を無視する親の許されない行為です。こども基本法が令和5年4月から施行され、こどもの権利が最上位である事が法律で示されて、今後の親や学校の教育及び指導内容の見直しが期待されています。教育虐待を受けている子どもたちに、手を差し伸べられる社会へ近づくことを願っておりますが、本書がその役割を担ってくれる事を期待してます。
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audible21冊目。
『母という呪縛 娘という牢獄』を読了し、こちらの本も読むことにしました。
石井光太さんの著作は、貧困をテーマにしたものをいくつか読んだことがあります。
世界の貧困問題はもちろんですが、見えにくい日本の貧困にも切り込まれていて、とても勉強になります。
この本のテーマは、教育虐待。
いわゆる金銭的な「貧困」家庭とは対極にあるような、子どもにじゅうぶんな(過度な)教育環境を与えられる家庭が舞台になります。
暴力やネグレクトであれば、何らかの形で周囲が気づき介入できるけれど(それでも、手遅れになってしまったり、見て見ぬふりをしたりという例が絶えないわけではあるけれども)、
「子どものためを思って」の教育虐待は、確かに気づきにくいと思いました。
また、学習面だけでなく、スポーツや芸術面での教育虐待もあるとのこと。
どこからが虐待になるのか定義は難しそうだけれど、
やはり、子どもが本当に望んでいるのかどうか?に行き着くのかなと思います。
でも、幼い子どもであれば、基本的には親の言いなりになってしまうのではないかなあ。
それで、思春期あたりになってから、親への反発や抵抗、自己肯定感の低さから、何らかの形で子どもが壊れてしまう。
不登校、引きこもり、うつ病、自傷行為、非行…
子どもへの愛が歪んでいってしまうのか、それとも、叶えられなかった自分の欲求を満たすためなのか…
全ての「親」に、程度の差こそあれ、ひやりとする部分があるのではないかなと思います。 -
教育虐待について、過去の事件から触れてゆく。自身が教育虐待なのか?心配になり手に取った。
子供が自分の意思で何かを始めれば、どんなに小さなことだって自信になります。
本文より。
★3つなのは教育虐待について私が知っていることが多かったから。 -
意見より事実ベースだから読みやすい。結局大切なのはコミュニケーションだと思った。子どもの声を聞くこと、子どもの人生は子どものものであることを忘れないようにしたい。
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社会が家庭に影響を与え、家庭が教育に影響を与えることが、よくわかる1冊。教育にどこまで、何ができるか。考えるきっかけがもらえる。
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新書なので、実例として挙げられる事件の話などは、同じ著者のノンフィクションに比べてマイルドで読みやすい印象です(もちろん事件そのものは陰惨ですが)。
インタビューや資料もふんだんに用いて、客観的かつズバッと切り込んでいく姿勢が好きです。
私は、教育虐待というと、学歴重視の親が無理に勉強させるイメージを抱いていたのですが、それ以外にもさまざまなケースがあると知りました。
大学全入時代イコール誰もが大学へ入れる時代、という誤解は私もしていたので、気をつけなきゃと反省。
確かに、単に大学の定員に空きができているだけであって、みんなが大学に入るというわけではないし、ましてやみんなが大学に進むべきという話ではないです。
あと、医者の家系に生まれた子は、本当に大変そうだと思いました。
単に親のエゴなら反発しようもあるかもしれないけど、地域の人たちにまで期待されたらね…。 -
耳読。
著者プロフィール
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