見えないから、気づく (ハヤカワ新書 013)

  • 早川書房 (2023年10月17日発売)
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784153400139

作品紹介・あらすじ

14歳のとき失明。ハンディキャップを越え、世界初の「ホームページ・リーダー」などアクセシビリティ技術を生み、日本女性初の全米発明家殿堂入り。現在は日本科学未来館館長とIBMフェロー(最高位の技術職)を務める研究者が明かす自身の半生と発想の源泉

感想・レビュー・書評

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  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067913

  • ラジオ深夜便インタビュー
    AIスーツケースがあれば周りの様子を感じながら移動ができる 風とか香りとか
    読みあげソフトを健常者も使いこなす時代になってきている 運転中とか料理しながらとか

    何かを無くした所に新しい気づきが見つかるのだろうか
    潜在意識が働いてその人にしかない何かが生まれるのかもしれない

    自分が知らなかった世界に驚いています


    多様性な社会は戸惑うことが多いが
    悪いことばかりではない

    誰もが暮らしやすい社会は新しい視点から生まれる

    自分も困った時こそ新しい視点に出会えるように
    アンテナを張って気をつけていきたい

    何かあったらどうするんだ症候群
    日本人は気にするあまりスタートできない
    確かにそんなことを議論してるよりやってみるほうが有効かもしれない
    やってみなくては!

    ラジオから出会えた世界 知る事が沢山ありました
    今後も追いかけていきたい

  • 読み終わった後、ワクワクしました。ドキドキしました。未来が楽しく感じました。
    ものすごいスピード感をもって、行動していく浅川さんの話に惹き込まれていました。
    浅川さんのわからないものに対して、一歩踏み出す力が読み進めていくうちに、自身の心にも浸透して、一歩進みたい。世の中をよくする行動を自分もしていきたい。と思いました。

  • プールでの事故が原因で14歳で失明 盲学校へ 大学は英米語文学
     脳の音感や言語の臨界期 脳の可塑性 脳の各部位の役割が変化
      視覚用の場所を触覚が利用 14~16歳
     テレビで放送されたコンピュータのプログラミングの習得に2年間

    日本IBM東京基礎研究所 英語のテキストの「2級英語点字」への点訳 
     合成音声出力端末の製品化の年に研究員として入社
     点字のデジタル化 共有システム「てんやく広場」1988年 →サビエ図書館

    ホームページリーダー 1997年 日本で開発し 世界対応へ
     HTMLタグを使い 音声で情報に素早くたどり着く hl 大見出し、p 本文 読み出し
     テンキーに動作割り当て 本文 男性声、リンク 女性声
     スーパーエンジニアと組んで開発

    アクセシビリティ
     画像情報増加 見出し、本文を推測し読むべき情報へたどりつけるか
     大きなトピックスから並び替え →携帯情報端末向けに変換する技術へ
     北大・東大 博士課程 ~2009年 IBMフェローに

    NavCog 「インクルーシブ・ナビ」
     屋内BTビーコンで1~2m精度の誘導
     位置推定・ルートマップ・情報マップ 画像・表情認識
     白杖=一歩先の情報  光速エスパーの チカ

    リアル アクセシビリティ
     カーネギメロン大学でコグニティブ・アシスタンス・ラボ 学内でNavCog
     金出先生(ロボティクス所長 Eye Vision開発) 清水建設 資金提供 

    AIスーツケース
     目立たない自由
     何かあったらどうするんだ症候群 →未来を想像、何かあったらみんなで考える
     スマホがUI ハンドルにスピードボタン、3つの振動子 LiDARとRGBDカメラ
     マップレスナビゲーション 視覚言語モデルで画像から音声案内

    日本科学未来館 館長
     来館者と研究者の接点 アクセシビリティラボ設立
     少ない選択肢から自分にしかできないことを探す
     
    DE&I Diversity Equity Inclusion
     イノベーションは多様な視点を合成することで生まれる

  • 289-A
    閲覧新書

  •  小学生の頃の事故の影響で14歳で光を失ったけれども、その後IBMフェローや日本科学未来館の館長を勤めている方のお話。後天性の視覚障害は身近でもいたので、最初から見えない人とはまた違った困難があるのだろうなと思いながら読んだ。この状態になったからこそできることを突き詰めてきたのかなと思った。制限された中でできることに限らず、見えない状態すら強みにすることは、身近な盲者のとてつもない記憶力を見てきたようにさすがだなと思えた。「目立たない自由」というものがあるということは知っておくことができてよかった。
     
    ====
     迷って、迷って、迷い続けて、最後の最後で盲学校へ通うことを決めた。
    どうして決心がついたのか?家で悶々と過ごしていても、何も起こらない。この時期を過ぎれば、少なくとも1年はこの状態にとどまることになる。中途半端にはもう生きられないのだ。目が見えない自分を受け入れる。選択肢は他になかった。(pp.13-14)

     ある会議で英語の点訳プログラムの話をした時のことだ。それまで、一言も発することがなかった会議の場で、コンピューターが障害にもたらす恩恵について無我夢中で話したところ、参加者の一人から思いも寄らない言葉が返ってきた。
    「目の見えないあなただからこそ、ユーザーの気持ちがわかるのですね」
     この瞬間、自分にとってハンディキャップとしか捉えていなかった視覚障害が、むしろ強みになることを知った。ずっと探し求めていた、自分にしかできない仕事に出会えたのだ。それはハンディキャップだと思っていた視覚障害が、自分の中で強みというものに昇華した瞬間だった。
     ココニイテ、イインダ。社会にやっと自分の居場所を見つけたように感じた。誰もが違いを持ち、自分にあるものを使って精一杯生きていけばいい。(pp.34-35)

     ウェブを使ってリアルタイムに情報にアクセスできるという自由をすべての視覚障害者に届けたい、そう考えるようになった。失明した時の、情報から遮断されたというあの取り残された感覚を、ウェブに関しては誰にも感じてほしくない。ウェブという膨大な情報源に誰もがアクセスできるようにした。そんな思いから、視覚障害者にウェブ情報をとどおけるプロジェクトに取り組むことにした。
    (中略)すべての視覚障害者に、ウェブという新たな情報源を届けたい。その想いからできたのが、「ホームページ・リーダー」という私たちが開発したテクノロジーだ。こうした開発したソフトウェアが世界へと広がっていくことになったのだ。(pp.40-41)

     視覚障害者の中には目立たず環境に溶け込むことを希望している人たちもいる。私もその一人だ。
     1960年代に中途失明者のリハビリテーションで活躍したトーマス・J・キャロルが、芽が見えなくなった時の勘定を“20の喪失”として整理した。その中の一つが、「一般性の喪失」である。これは、「目立たない自由の喪失」とも解釈できる。視覚障害者は、白杖や盲導犬といつも一緒に歩くので目立つことは避けられない。AIスーツケースは目立たずに一人で歩くことができる初めての技術だ。失った「目立たない自由」を取り戻せる可能尾性がある。(p.142)

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