日本列島放棄

  • 文藝春秋企画出版部 (2007年12月5日発売)
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感想 : 3
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  • 本 ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784160080447

感想・レビュー・書評

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  • ネットの一部で311震災にそっくりだと話題になっていたので、早速図書館で探してよみ始めている。他のレビューは恐らく震災前に書かれたのだと思う。
    震災と確かに類似。良く調べでいる。最後はダラダラとして読むのが苦痛だった。震災前では良かったのかも知れないが、震災を知ってる人はあれでは物足りないだろう。

  • 大地震が連鎖し、原発が壊れ、そこに台風が来て、北海道と沖縄以外は住めなくなるという可能性としては限りなく0に近いと思う。
    ただ、絶対に起こらないとは言えないという意味で、原発の安全性について改めて考えさせられました。

  • 宮城県沖地震に伴う津波、そして原子力発電所の事故による放射線漏れ、
    五日後に東南海地震、南海地震、さらには列島を縦断する台風により、
    日本全土が放射線のため定住は不可、9500万人が国外脱出…

    主人公の一哉は親友木原を探しに原発に入り込み、死体を発見、そして被曝…
    被曝のため日本に残り、バングラデシュに住む妻サーラ、娘のルナに原発放棄を
    訴えるアニメを託す…

    まず考えたのは、安全安心はただではないということ。食品偽装にしてもそうだが、
    行政として政策を打っていく立場としてはリスクだけを完璧に排除することは不可能。
    電力を得るためには当然対価が必要だ。原発放棄を訴えるならそれによる電気代の値上がり
    等甘受する必要がある。しかし、飲酒運転廃止を訴えても自動車は廃止されない。
    費用と便益の比較があって行政は動く。リスクを過大評価すると余計なコストがかかる
    ことになるのは念頭に置かねばならない。
    それにしても原発の近く、地震多発地域には住みたくないと思った。ミサイルの標的になることも
    ありえるし。

    また、バングラデシュで国連NGOとして働いていた一哉は避難民に対して非常に気配りをして、
    その場を取り仕切る。災害時にはこうした人がいるとどれだけ助かることか。こういう大人になりたい。
    放射線やら無線やら災害時に応用できる知識を持っていると良さそう。

    作中一哉は広島に戦没者の慰霊に行く。原爆の被害がどれほどのものであったか、戦争とは、という
    大きなテーマが原発に隠れていた。戦争をどう捕らえるか、もう少し考察が必要だ。
    沖縄、広島にはぜひ足を運びたい。

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