- 本 ・マンガ (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784160901346
作品紹介・あらすじ
宗教2世。親が宗教を信仰している家の子供。宗教ありきで育てられ、世間とはずいぶん違う生活を送っています。
参加してはいけない学校行事があったり。
薬を使わせてもらえなかったり。
人を好きになってはいけなかったり。
休日は宗教活動のための日だったり。
もちろんそこに幸せを見出す人たちもいるけれど、中には成長するにつれて苦しさを感じる子供達がいることを、知ってほしい。
著者含む、7人の宗教2世たちが育ってきた家での出来事をマンガ化した作品が、加筆修正を加え、単行本化。
単行本描き下ろし45p収録。
「情報ライブ ミヤネ屋」でも紹介された、今年最注目のノンフィクションコミック!
感想・レビュー・書評
-
宗教を信じるのは自由だけど、親の信仰に子供が巻き込まれているのは違うと思う
小さい時は仕方ないのかもしれない
でも、自分の意思で決定したり、選択できない人に育てられてしまう
親の人生と子供の人生、考え方は切り離されるべき
宗教から離れられても、思考とては残る
生きずらい人生になりやすいと思う
宗教の話はタブーとされているが、親に知られずに相談ができる、子供の意見を聞ける専門機関があったらいいのに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
宗教2世。
親が宗教を信仰している家の子供の育ってきた家庭を描いたノンフィクションコミック。
元首相殺害事件も記憶に新しく、この本も新聞紙面で取り上げられていた。
なかなか奥深くまで知ることのなかった宗教2世の現実に唖然とした。
信仰の自由はあるので、それぞれだとは思う。
親は親で自分は自分と切り離せなくなっているのが2世の現実で、身動きの取れない状態になっている。
少しずつ成長してくると周りとの違いに気づくのだが、それまでに植え付けられた記憶は消せない。
苦悩の様子がよくわかる。
-
かつてよく目にした子供さん連れの布教活動。「この寒空に可哀相」とついつい哀れみの目で見てしまった。
宗教2世(?)の幼馴染みがいる。幾つかの関連書籍も頂いた。ご両親は世で言うところの良識ある立派な方達だった。
この本を読み友人のご両親が毒親でなかった事は本当に良かったなと今更ながら思った。
友達とそのご兄弟の現在を知ると正しく信じる宗教の力の大きさを感じなくもない。
それでも言うに言われぬ事は有ったのかもしれない。無信心の私にとってはやぶ蛇になりかねないのでたずねることはけしてないだろうが…。
-
宗教信仰の親に生まれた二世の子の話
生まれた時から、宗教が身近にあって
それが当たり前に過ごして
途中、違和感を感じて脱会する子もいれば
そのまま振興する子もいるんだろーな
小学校の時に、運動会に出れない子がいた
中学では、修学旅行に来なかったな
で、高校中退して幹部になったって話聞いたり
会社の後輩の子が突然辞めて、宗教の幹部になったってのもあったな
辞めたいと思っても、大好きな両親が悲しむから辞めれないって思う気持ちになったり
かわいそうなとこだと感じた
助けて欲しい人を助けてあげれる団体があればいいのかな? -
絵柄がソフトで、一つ一つのエピソードを短くまとめているので、重くなりすぎずに読める。読めるけれども、2世の方々はすごいストレス、葛藤のなかで生きているんだなと想像できる。"宗教の自由"は2世には事実上存在しないなどと考えたこともなかった。
そして多くの配偶者が、自分は無宗教でも、子供を助けようとしないことにもかなり疑問を覚えた。なぜその状態を放置しているのだろう…そこに目をつぶりさえすれば、家庭に不満はないということなのだろうか…?それはただの現実逃避では。
この本が話題になって、救われる人が一人でも多ければ良いと思う -
「星の子」を読んだ時に、子どもは親を愛してるから親の信じているものを信じたいのだなと、親はそれにどこまで気づいているんだろうと思ったのだけれど、宗教側は、親側はそんなこととっくに気づいているんだなと感じた。
子どもの親に愛されたいという気持ちや親がいないと生きていけない状況を利用したようなやり方が本当に腹立たしい。自分も信仰の自由のもとに信じているのなら、なぜ子どもにもその自由を与えたいと思わないのだろう。
この本が誰かの助けになりますように。 -
安倍元首相の事件後、ようやく日本でもカルト宗教の問題が明るみになった。同時にこの本も話題になった。出版差し止めというニュースが世間に流れ、それがかえってこの問題の根深さを物語っている。
宗教2世。親が宗教を信仰している家の子ども。
彼らの存在に、私たちは気づいていただろうか。
わが家にも時々宗教の方が布教に来られる。インターホン越しに子どもの声が聞こえて何だろうとドアを開けると、急に母親らしき女性が横から出てきて冊子を差し出し延々と話し始める。また来ますと言って、ポストにもいくつか冊子を入れて帰っていく。長年会っていなかった伯母が、友人といきなり尋ねてきたこともあったな。(あとで聞いたら創価学会だとのこと)
身近で言えば、子どもの同級生に宗教2世の子がいた。詳しいことは分からないが、自宅は大きく、地区の教団の本部のようになっていた。その子は儀礼参加は義務、部活の制限あり、休みの日も遊べるのは時間制限あり、進学は遠方にあるその団体の経営する学校と決められていて、本人もそれを受け入れていたようだった。おそらく進学した後はうちの子とは音信不通。
彼女を見てて思ったのは、親が信仰している宗教を受け入れることで、親の愛情を得ているのかなということ。言い換えれば、彼女にとって親の愛を得るには、宗教の世界に入るしかないということ。そりゃそうだよね。生まれた時から親がどっぷり宗教にハマっているんだもの。彼女の生活そのものが宗教なんだもの。
でもこれってどうなんだろう?
彼女(宗教2世)に“信教の自由はない”のだ。
親の庇護下にある子どもが、親の愛を受けるのに信仰が条件になっているってどう考えてもおかしい。
宗教にもよるがこの本には、病気になっても薬を使わせてもらえなかったり、学校行事に参加できなかったり、友達と遊ぶのを禁止されたり、テレビや恋愛を禁止させられたりする宗教2世が何人も出てくる。しかも彼らは皆、それらの規律を守らなければ地獄に落ちるのだと常に親から言い聞かされている。
宗教2世はある決まったコミュニティーの中でしか生きられないのだと思い込まされる。ほとんどが外部との接触を断つことを是としているので、子どもにとってはそこが唯一の場所であり、世界なのだ。それが2世の生きる道。彼らに選択肢はない。
だからこそ宗教2世が信仰に疑問を持ち、自我に目覚め、宗教と決別し、新しいコミュニティーで生活を始めるのは容易なことではないだろう。今まで多大な時間を宗教活動に割き、教えを忠実に守り、それが正しい道であると信じてきたのだから。価値観・アイデンティティーの崩壊。我々には想像もつかないほどの苦しみだろうと思う。
親が宗教にハマるのは自由。(洗脳を解くのは難しい)
でもその子どもは本来自由であるはず。
閉鎖的な環境で育つ子どもたちを救済する法律の制定が早急に必要だ。統一教会信者間で子どものやり取りをしていたことが問題化され、あれで一気に事態が好転するかと思っていたが何か変わったのだろうか。
宗教団体からの抗議により公開中止となった後、文藝春秋が出版を申し出てくれたエピソードも描かれている。
「うちはホラ、何があってもビビらないから」
という担当さんの言葉、カッコイイね!2世の方々はもちろん、出版社を応援する意味もあり本を購入しました。 -
「神様」って、なんだろう。
自分を支配する、絶対的な存在。
こころの拠り所になる場合もあるだろう。
でも、神様にすべてを委ねることは、自分のアタマで考える力を奪うことにもなるのかも、とも思う。
「神様」に支配される親に育てられた子どもにとっては、自分を支配する、その親こそが「神様」という現実。
自分の意志で、外の「汚れた」「不幸な」世界を拒否した本人はよいが、そこで育てられ、外の「普通の」世界を知ってしまった宗教2世の苦しみが、わかりやすく伝わってくる。
急激に市民権を得た「宗教2世」の問題を、(宗教名が特定できそうなほど)具体的に描くことによって、多くの人が身近な問題としてとらえるきっかけになるのでは。 -
いろいろな壁に阻まれながらも、世に出た本だということがありました。
親を選ぶことができないと同じように、生まれてたときから宗教があり、自分の気持ちを押し込み続けていたら、苦しいと思いました。
その苦しさを理解することは私にとって難しいですが、その人らしく生きてほしいと思いました。 -
一度打ち切りになって別の出版社から出ている。
打ち切りの出版社の名前もちゃんと書いてあるのね。
著者は担当編集者には感謝してたけど。
この本は一人の人の一つの宗教のエピソードでなくて
色々なケースを収録しているのがいい。
その方が今つらい思いをしている人に届きやすいはず。
色々な場所で色んな人が集まって色んな事情が発生する。
だからこれらの宗教全部が全部このような状況だとは思わないけど。
でもこういう人達も一定数いるということも理解しておかないと。
著者プロフィール
菊池真理子の作品





