夏の流れ

  • 文藝春秋 (1967年1月1日発売)
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感想 : 1
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  • 本 ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163011905

感想・レビュー・書評

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  • 娯楽作品であっても、読後「あー面白かった、読んで良かった」と思えて、満足感を覚えられたものは沢山ある。しかし、本書のような「本物」に出会うと、満足感と共に心が震える。3つの短編、どれも心が震えた、出会って良かった本。

    無駄のない文体。淡々と日常を描いている。その中から、深い所での人の心の動きが浮き上がって素晴らしい。会話が多いが、それ故に行間に漂う空気が現実的だ。景色の描写も良い。

    私は特に「雪間」がとても好きだった。どの作品も、何故作者が若い年齢で書けたのだろうか、と驚く。若い頃の作者の作品をもっと読みたい。

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著者プロフィール

1943年、長野県飯山市に生まれる。仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、「夏の流れ」で文學界新人賞を受賞。翌年、第56回芥川賞を史上最年少(当時)で受賞し、作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。主な作品に『雨のドラゴン』『ときめきに死す』『月に泣く』『水の家族』『千日の瑠璃』『争いの樹の下で』ほか多数。また、趣味として始めた作庭は次第にその範疇を越えて創作に欠かせないものとなり、庭づくりを題材にした写真と文章をまとめた本も多い。また、2020年に「いぬわし書房」を設立し、長編小説『ブラック・ハイビスカス』(全4巻) を、23年、『風死す』(全4巻) を刊行。出版活動のほか〈丸山健二塾&オンラインサロン〉や〈丸山健二文学賞〉なども運営している。

「2024年 『言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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