本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784163106601
感想・レビュー・書評
-
五感の中で一番説明のしにくい具体性のない、それでいて、印象を大きく左右する嗅覚。その匂いに超人的な才能を持つ男の一代記。
人殺し云々という副題が付いていたので、とりあえずミステリーにジャンル分けしてみましたが、何だろう、ミステリーというのとも違うような…
このブクログの一文クイズで先日 問題に出た本です。
そこでキーワード『匂い』が何故か引っかかりこの本を探し出して読んでみました。ご紹介いただきましてありがとうございました。
それによると映画もあるそうで。映画はどんな内容?興味深いものです。
この本のレビューといたしましては、5章に分かれ、それぞれがある人物の死をもって一応の完結を見せてはいますが、ここでネタばれはしたくない。想像以上に芳しい濃い内容の本でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画がとても気になっていたけど、
見ることもなく終わってしまったので、原作を読んでみました。
最後の解説で、起承転結になってるって書いてあったけど、
まさにそうです。
最初はとても引き込まれる出だしで、
中盤は主人公の孤独な時間が多くって何度も眠くなりました。
でも後半はあれよあれよと、殺されていってしまう。。。
香水も一種の麻薬ですね。。。 -
前半はかなり退屈。
やめようかと何度も思ったけど、前評判を聞いていたためなんとか読了。
ラストは結構衝撃的。小説って、やっぱり面白いなぁ。
映画の方も観てみたい。 -
あたり一面においのないものはない中において、唯一においのない人物が、理想のにおいを追い求めた話である。追求の仕方がかなり異常であるぶん、一見奇抜な物語に見えるが、つまるところ彼は「個」としての存在意義が欲しかったのではないか。究極のにおいを望みながら、「アイデンティティー」は決して手に入らない。その渇望と絶望が他人のにおいを通して綴られるというのが何ともやるせない。
-
文字というもので香りという五感の一つに訴えるものを
ここまで豊かに表現することができることができるなんて
信じがたい偉業。
香りそのもののが与える快楽と、それが人間にもたらす作用
の追求のみに生きる、粗野な野生児であり、天才の調香師であり、
悪意のない殺人犯でもあるグルヌイユの数奇な一生を描いた
文学史に残る名作!! -
類まれな嗅覚をもつが本人には匂いがない。という設定が巧すぎてページをめくる手が止まらなくなる。
匂いを文章で伝える巧みさも書き出しや翻訳の巧さにも唸らされる。
巧いだけではなくもちろん面白い。匂いに翻弄される人々の物語を騙されたと思って読んでほしい。 -
第1回アワヒニビブリオバトル「時」で紹介された本です。
2015.06.10