帰れぬ人びと

著者 :
  • 文藝春秋
3.52
  • (9)
  • (7)
  • (26)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 92
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163113005

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 巻頭に彼女の写真があった。
    ネットで見ていた写真は、30過ぎの彼女で、
    これは、まさしくデビュー当時(10代)のものだろう。
    写真は、当時のイグナチオ教会をバックに撮られている。

    ふいに自分の学生時代がフラッシュバックした。
    同級生の彼女のことを思い、胸が痛んだ。
    彼女は何になりたかったのだろう?
    「月山」の雰囲気がする暗い小説を書いていたが...
    上智大学ロシア語学科...
    願わくは、同級生として、学びたかった。

  • どの話も生きていくことの哀しみを描いた作品だった。
    どれも先が気になる話ばかりであっという間に読み終わった。
    哀しいけど、生きることも捨てたもんじゃないというような、なんともいえない読後感だった。

  • 高校の時、国語の先生から読んでみてと言われた読んだ作品。素朴な感じが好き。鷺沢さんの中の一番の傑作だと思う。

  •  まず思ったのはこれほどのものを高校生の時に書きあげたのかという驚きでした。
     自分が高校生の時と比べるともうね(ぁ

     あっとするような展開はないのですが、先を読み進めずにはいられない謎とぞっとするほどのセンスを感じさせる文章が素敵でした。決して大げさなを書いているわけではなくて、地に足が付いているのにそれでも手の中できらきらと輝いているような、鋭さのある文章です。あくがなくて個性のある文章というんですかね。ここまで洗練できるのかと思いました。一文一文が珠玉、といった感じです。

     主人公たちはみな家庭に問題を抱えていて(もしくは抱えていた)、その影響を少なからず受けているのですが、その反動か殊更に普通に生きようとしているのが印象的でしたかね。本当に普通の人は意識せずとも普通に生きれるわけですから、それこそが彼らが歪んだ家庭で育ったというある種の証明にもなってしまうわけですが。

     個人的には表題作でもある、『帰れぬ人びと』が一番好みでした。
     もう少しこの方の本を読んでみようと思います。

  • 短編集。ほの暗い気持ちになりたい人にはお勧めかも。家族へのトラブルや過去にトラウマがある人たちの話。
    読み物としては幸せなほうが楽しいなぁ。暗い気分になる話。

  • 木沼駿一郎氏より寄贈。

  • 著者が10代のころの作品集。これ以上のものに出会っていない。もっと書いて残してほしかった。

  • 学生の時、課題ワークに問題文として出て、惚れました。(その後古本屋で取り寄せまでした)
    文は明るい雰囲気ではなく、ダークな面やら色々あるけど、そこがより心に響いてきて好きだと思える本です。
    若くしてこれを書けるだなんて文才あるなぁ…と感心していました。

  • 新人賞受賞作「川べりの道」をはじめとする初期短編集。10代で書いた作品ばかりとは畏れ入りました。しっかり構築された厚みのある作品です。真面目な人だったんでしょうねえ…

  • 高校生のときにこの小説を書いただなんて信じられない。すごすぎる。<BR>
    あと、国語の教科書や入試問題に出てきそうな文章だなと思いました。<BR>
    「帰れぬ人々」の家族の心理描写は圧巻です。

全12件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

帰れぬ人びとのその他の作品

鷺沢萠の作品

ツイートする