TVピープル

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 417
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163115108

作品紹介・あらすじ

得体の知れないものがせまる恐怖、生の不可解さ、そして、奇妙な欠落感…。生と死、現実と非現実のあいだ…。小説の領域をひろげつづけてきた作家の新しい到達点。

感想・レビュー・書評

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  • バージョンアップ版の『ねむり』を読んでから一年経ち、バージョンアップ前の『眠り』が収録された短編集を読んだ。

    最初に載っていた『TVピープル』は話の雰囲気が『アフターダーク』に似ている気がした。あれも確かTVのなかがどうのこうのという描写があったと思う(あいまいな記憶だからもしかしたらなかったかもしれない)。

    そのほかの短編も、バージョンアップ前の『眠り』も理解はできなかった。念のため一年前の『ねむり』の感想を読み直してみたが、やはり理解出来ていなかったみたいだ。自分のどうしようもなさに笑ってしまう。

    『眠り』の主人公の女はソファでお菓子を食べながら時間をかけて読書をする。読書の合間には運動もする。
    その生活スタイルに共感した。
    自分も何か食べながら本を読むのが好きだし、何時間か読んだらジムに行って運動をしてまた読書をする、という休日の過ごし方が一番好きだ(この読書スタイルを実践する際、本を理解しているかどうかは自分にとってあまり重要なことではない)。

  • 佐々木マキの表紙がかんぺき。

  • 川上未映子が絶賛していた”眠り”が収録されているので読む。
    ”眠り”歯科医を夫に持つセレブな妻が眠れなくなって2週間くらい一睡もしないのに眠くなく”アンナ・カレーニナ”を予後と読みふけり夜のドライブをし、不穏な感じで終わるんだけど、女性の心理描写がほんとに上手い。想像力でこれだけ書けるものだろうか。
    しかも、この短編集みんな面白かった。
    最近の長編よりもむしろ面白かった。

  • 短編集。幻想?ホラー?
    不思議な作品たち。
    「我らの時代のフォークロア」は『ノルウェイの森』を思わせる雰囲気。
    「加納クレタ」と「ゾンビ」は、ショート・ショートほどの短さのホラー。
    表題作が一番謎だった。

  • 二度目の「眠り」が染みた。
    きっとこの女性は昏睡状態か何かにあって、眠れない日を17日間過ごしているのだ、という仮定で読み進めると、「傾向」にずっと自分の時間を奪われてしまって、本来の自分らしさを損なっていることに気づく物語なんだとわかって、今の現代人になんてぴったりなんだろうと思った。

  • 「TVピープル」

    ある日、テレビのない家にテレビを運んでくる男3人組、またまた訳のわからない小説だ。
    結局、最後まで訳の分からないままで終わる。
    いったい何なんだ?

    「飛行機-あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」

    副題に”いかにして”とあるが、結局それはわからないまま。
    何を言いたいのか?

    「我らの時代のフォークロア-高度資本主義前史」

    みんなのレビューを見ると、一番人気のようである。
    処女性というか、そういう女性のひとつの生き方を提示する話。
    みんなこんなのが好きなのか?

    「加納クレタ」

    とても魅力的な女性がたびたび男から犯されることから、
    それに対処する方策に関してのお話。
    あまりに現実離れ(この話しだけではないが)しているため冷めた目で読んでしまう。

    「ゾンビ」

    マイケル・ジャクソンのスリラーのPVのようなお話。
    終わり方も同じ展開。

    「眠り」

    これも人気の作品のようです。
    この作品の中に出てくる「アンナ・カレーニナ」は誰もが聞いたことのある
    トルストイの名作。
    僕も小学生のときから気になっていたものの本の分厚さからなかなか読むのが
    おっくうになっていてまだ読んだことがない。
    僕だけでなくいろんな人が今一度読んでみようかな?と考えるそうだ。
    それはさておき、この「眠り」も終わり方が気に入らない。

  • 子供の時なぜか。

  • 我らの時代のフォークロアが良い。
    処女性の重視について。
    ある一線を超えると、何かを失ってしまったり、変わってしまうことがある。
    でも人間は成長していくもので、一線を超えようが超えなかろうがじわじわと変化していく。自分が望んでいなくても関係なく。
    恋人など、対人関係において、相手に望むタイミングが違っていても、それは個人の問題だから当たり前の事だ。

    キッカケとタイミング。
    性に限定せず、気づいた時から世界が違って見えた時など、日常的な色々なことのメタファーになっている作品だと思う。

  • 主人公が女だったり、語り手が登場人物ではなかったり。
    村上さんの作品にしては珍しいが
    それだけで、特におもしろくはなかった。

  •  以前、読んだことがあるはずなのに、こんなに新鮮に読めるのはなぜなのでしょう。私の記憶力が落ちているということもあるけれども、それだけ、この本の中身が日常からかけ離れているせいではないでしょうか。つまり、記憶に残そうとしても、記憶がすがりつく壁がないというか、何というか。あるいは、逆に言うと印象に残りにくい、よく言えばシンプル、悪く言うと淡泊というような面があるのかも。

     とにかくすごいのは、絶対あり得ないことなのに、何の状況の説明もないこと。例えば、最後の「眠り」では、1週間も2週間も眠らずに過ごす女性が登場しますが、どうしてそうなったのか何の説明もありません。いやそれどころか、当の本人も理由が分からないまま話は突き進むのです。しかも、話が終わっても何ら解決しない(笑)。普通そこまでされると、違和感があってストーリーに入り込めないのですが、ハルキ・ワールドではノープロブレム。がんがん入り込んでしまいます。

     一度、村上氏の作品で国語の授業を受けてみたいな。小学校でも中学校でも、高校でもいいから。みんなで段落ごとに読んでいって、意味の解釈をしたり、主題を考えたり、国語の先生にじっくり解説して欲しいです。

     きっと、昔より国語の時間が好きになると思います。(でも、テストの点は取れないかも)

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年5月9日、対談集『本当の翻訳の話をしよう』を刊行。5月10日、両親と過ごした幼少期と父親の戦争体験、そして自身が親の語りをどう受け止めかたを記したエッセイ「猫を棄てる」を『文藝春秋』に寄稿し、話題となる。

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