大地の子 (中)

  • 文藝春秋 (1991年2月28日発売)
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本 ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784163122809

感想・レビュー・書評

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  • いよいよ、日本側の父親の方も描かれ、父と子の距離が縮まる。
    それにしても、戦争体験者とその下の世代での中国への接し方の違いが際立つことに今更ながら驚かされる。
    それと同時に、文化大革命後も秘密主義を貫く中国の姿に現代中国が戻りつつあるように思えて、背筋が冷たくなる。また、日本政府の残留孤児への対応には、今の政府の沖縄への対応に似たものを感じる。

  • 冤罪がはれた陸一心の企業人としての成功をとおして日中の戦後の復興プロセスが緻密に描写されている。思想が違う中 仕事の考え方も異なり 思う用に進まないのは今も同じ。
    中国残留孤児としての気持ちの変化も微妙にでてきた。残留孤児の問題や日中プロジェクトのクライマックスはどんな結末に!

  • 松本耕治が大沢さきこの記者会見の後、息子娘2人の当時の無事を知らされ、妻父末娘の死を知らされた時の描写がすごかった。
    他にも当時の中国とのビジネスがいかに一筋縄ではいかなかったかなども知れた。
    なんだかんだ日本と中国は2000年の交流の歴史があって、日清戦争、日中戦争をはじめここ100年あまりの不幸な歴史ばかりが目に耳に入ってきてたけど、そうじゃない時代もあったんだなと思った。

  • めぐる

  • だんだん面白くなってきました。

    感想は下巻で。

  • 一気に読み終えた。残留孤児として不遇を受けた過去から一転、中国人として力強く生きる主人公の懸命な姿が描かれている。
    父と思わしき人物〈日本人〉からの視点からも描写がされており、それらが結びつくのは下巻なのであろう。
    資本主義がよいと簡単に結論づけることは出来ず、力強い独裁色をイデオロギーも含めて示さねば、この大きな国家は一つのまとまりとして維持できない。
    しかし、文革によって粛清された知識人たちが多く残っていれば経済や人民の生活は大きく改善されていたのかもしれない。
    指導者の方針は決してこういった結論を望んでいたわけでは無かろう。トップと国民をつなぐセクションの善悪や役割の大切さを感じさせられた。

  • 下巻にて

  • 2009/2/22開始
    2009/2/28読了

  • 悲しさと優しさが共存しているような話の展開は、涙なしには読み進めることができません。日中戦争、文化大革命、日中国交正常化といった歴史の流れに翻弄される人々…、まさに「壮大な叙事詩」という形容がぴったりです。NHKのドラマも良かった〜。養父・陸徳志の名前の通りの慈悲深さに、僕はかなり感銘を受けたものです。

  • 日本がどれほどに中国という国に怨まれてきたかは、日本がしてきたことから想像できてはいたが、直接それを受け止めなければならなかった中国残留孤児は悲運としか言いようがなく、日本政府にはきちんと責任を取り、彼らを早く救い出して欲しかった。

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著者プロフィール

山崎 豊子(やまさき とよこ)
1924年1月2日 - 2013年9月29日
大阪府生まれの小説家。本名、杉本豊子(すぎもと とよこ)。 旧制女専を卒業後、毎日新聞社入社、学芸部で井上靖の薫陶を受けた。入社後に小説も書き、『暖簾』を刊行し作家デビュー。映画・ドラマ化され、大人気に。そして『花のれん』で第39回直木賞受賞し、新聞社を退職し専業作家となる。代表作に『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』など。多くの作品が映画化・ドラマ化されており、2019年5月にも『白い巨塔』が岡田准一主演で連続TVドラマ化が決まった。

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