自動起床装置

  • 文藝春秋 (1991年1月1日発売)
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本 ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784163127507

感想・レビュー・書評

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  • ▼福岡県立大学附属図書館の所蔵はこちらです
    https://library.fukuoka-pu.ac.jp/opac/volume/44853

  • 『コンビニ人間』に近いテーマなのかもしれないけれど
    自動起床装置という仕組みを入れるか、ただただコンビニで働いている人間を描くか
    昭和までの文学は前者が多かった気がするけれど後者がうまく描ければ凄みが違うのだと思う

  • 細かく丁寧な描写に読むのを中断してもすぐに現実に戻ってこれないほど惹き込まれた本だった。
    眠りをテーマにした小説であるため、眠る前に読むのが最も適しているだろう。ただし眠りについて考えさせられて眠れなくなる可能性はある。
    人間は眠りを軽視している…眠ろうとすることには幾分注意を払うものの、眠っている途中や起きることには無頓着である。
    この中では自動起床装置によって人間が起こされることの危険を主人公と同僚が語っていく事になるのだが、そもそも目覚まし時計に頼っている生活が自然ではないことに気付かされる。
    誰かに呼ばれて起こされる安心感、同じ正確さで優しく起こしてくれるのならやはり機械ではなく人間に起こされたいと思うのである。

  • 第105回 芥川賞 初版

  • 好きな漫画家さんが推してらしたので。興味本位。

    収録策:自動起床装置・迷い旅
    面白かったです。ってこの「何故面白かったか」を説明しなきゃ意味が無いんだけど私こういうの苦手なんだなあ・・・・ええと、小説の中では不思議な事があって、その不思議がどんどん展開していくんだけど、その不思議はどこにでもいそうなありふれた人間が出会うからこそ不思議なのであって、言ってみれば何かの間違いで日常の生活に落とされた一粒のインクのしみ、のような、エアポケットのような、すとんとした非日常性、であるからこそ不思議であり面白いのである。そういう、何というか・・そこらへんが上手に描かれていると本当に感心してしまう。私の頭の中では、ありふれた場面とありふれた登場人物を置いたらもう最後、ありふれた事件しか起こり得ないので、不思議な事件を描こうとしたら、まず不思議な人物を不思議な背景に描き込むしかないのだ。このぽつんとした不思議さ、不気味さに心をわし掴みされて、後はため息が出るばかり。面白うございました。
    迷い旅 も良かったよ。すごく。
    ってああじゃあ何がすごいのかってそれはまた・・・(以下延々と続く)

  • 芥川賞をとった作品らしい。なんか「眠り」ってものに関して、すごく興味を持った。人間は毎日、一回死ぬ。眠ると一度死ぬんだ。起きたらそれは新しい人生なんだ。なーんて桃井かおりが前にTVで言ってたのを思い出した。

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著者プロフィール

小説家、ジャーナリスト、詩人。元共同通信記者。宮城県石巻市出身。宮城県石巻高等学校を卒業後、早稲田大学第二文学部社会専修へ進学。同学を卒業後、共同通信社に入社し、北京、ハノイなどで特派員を務めた。北京特派員として派遣されていた1979年には『近代化を進める中国に関する報道』で新聞協会賞を受賞。1991年、外信部次長を務めながら書き上げた『自動起床装置』を発表し第105回芥川賞を受賞。

「2022年 『女声合唱とピアノのための 風』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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