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本 ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784163131900
感想・レビュー・書評
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ミラノでの暮らしを綴った回想録
著者の経歴を知らずに読んだので、序盤はやや分かりにくいと感じたが段々と面白くなってくる。悪い意味で夢見がちな黒人ミケーレの話や、ドイツ人のベルトと、父がユダヤ人と知らずに育った妻ニコレッタの夫婦の歴史観の認識のズレの話が印象的。
時代の流れに伴うコルシア書店の転変は切なくもあるが、確実で永遠の時や物は無く、それ故に思い出は美しいのだ...と改めて感じた
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彼女の綴るミラノをはじめとしたイタリアの風景、人。書店にかかわるいろいろな人々は、いまもどこかでいきているような、いきいきとした文章に時を忘れて没頭してしまった。
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すごくよかった!久々にすごい速さで読み終わったエッセイ。
ミラノに実在したコルシア・デイ・セルヴィ書店に色々な形でかかわっていた人たちのエピソードが、ひとりひとり丁寧に紹介されている。挿絵や写真はいっさいないのに、みんなの顔や風貌がぼんやり浮かんできそう。
著者も、数十年前に実際に書店にかかわったひとり。「白いオリーブの葉の裏」など、実際にその場で目にしていなければなかなか浮かばないような描写がたくさんちりばめられている。そのたった一言で、頭に浮かぶイタリアの情景がとたんに色を持ち始める。
「シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々 」と同じように、ひとつの書店をめぐるエッセイ集なのだけど、内側にいた日本人女性の視点というのが、とても新鮮。 -
2011/11/01 静けさがこころに沁みわたる。
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ひと昔前の伊太利亜。美しき文章。
ミラノのある書店を舞台に、貴族から泥棒まで、強烈な個性をもつ人びとがくりひろげるさまざまなドラマ。 -
2010/7/26購入
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小さな頃から漠然と感じていた
「ひとは結局のところ一人であり、孤独を受け入れなければ生きていけない」という予感を肯定してくれた。
その確信は、まだ多感であったわたしを悲しませたけれど
同時に「孤独は、かつてわたしたちを恐れさせたような荒野ではない」と諭し、励ましてくれた一冊は暗闇の揺らめく蝋燭のように心に灯った。
孤独を引き受けなければ個人は確立しないし、人生は始まらない。
そんな話を話すと周りの人間にはペシミストと揶揄され、会話は途絶えてしまう。
この本を語り合える仲間を手に入れたいと、切に願う -
(2003.06.16読了)(拝借)
・須賀敦子
この人の話題が出たのは何時のことだったでしょうか?
やっと読みました。かみさんが読んだ本で、「コルシア書店の仲間たち」という本です。
ミラノが舞台ですが、旅行でミラノへ行ったことがあるので、多少親しみもあります。
驚いたのは、イタリア人にとっても、ユダヤ人は罵倒の対象になるということです。
ユダヤ人をさげすむ台詞をはいた娘に、あなたの父親は、ユダヤ人だからそんなことを言うのはやめなさいという場面が出てきました。
その娘は、なんとドイツ人を好きになって結婚してしまうとは。
著者プロフィール
須賀敦子の作品





