マディソン郡の橋

  • 文藝春秋 (1993年1月1日発売)
3.58
  • (20)
  • (26)
  • (43)
  • (9)
  • (0)
本棚登録 : 296
感想 : 34
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163138404

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  アイオワ州マディソン郡の片田舎で過ごして平凡な主婦だった彼女が、夫や子どもたちの留守中に、地元の珍しい橋を撮影しようと訪れた写真家の男性と出会ってからの、たった4日間の秘密の愛の物語です。一生に一度の大人の深い愛の物語です。

     この物語のポイントは関係を続けるか別れるかの選択だったと思います。
     4日間を一緒に過ごしたあとの大人の選択。悩んだ上で辛くても正しい選択をしたからこそ、4日間の恋愛が2人にとっての生涯の宝物となり、お互いを想う一途な気持ちは、その後の人生にも心の幸福感をもたらし、愛が死を超えても続くことを最後まで示してくれました。
     大人になって家庭を持った今だからこそ分かる、大人の恋愛小説だと思います。
     だからこの物語に「不倫」という表現は似つかわしくなく、そんな言葉はこの小説を語る上で使いたくありません。

     心に残った文章があります。
    後に男性から女性へ残した手紙の中で、男性はこう書いています。

    「私は死んでしまった心を抱えて生きています。〈中略〉 いつだったか、カナダガン(雁)のつがいの片割れがハンターに撃たれたのを見たことがあります。カナダガンは一生つがいで暮らすのですが、残された雄は来る日も来る日も池を探し回っていました。何日かあとに、私が最後に見かけたとき、そのガンはひとりで野生の稲のあいだを泳いでいました。まだ連れ合いを探していたのです。」

     この部分を読んだとき、小説にすっかり浸っていた私の心は潰れそうでした。男性は雄のガンに自分を見ていたのだと思うと、胸がいっぱいになりました。

     この小説に関しては、現在、文庫本では入手しやすいのですが、こだわりで何としても新品の単行本が欲しくて、単価1,400円(税込)のところ、2倍以上の金額で手に入れました。この本の当時の帯には、
    「アメリカでは400万部を超えました。日本でも100万人が読んで泣いています。」
    とありました。
     大人の皆さんにぜひ読んで感動していただきたい1冊です

  • 忘れられない人がいる
    もしあの時ああしていれば・・・と考える
    でも、その人と一緒になっていたら、記憶のなかのその人は別人になってしまったかもしれない
    だから一緒にならないほうがよかったのかーー

    ある程度の年齢を重ねてから過去を振り返えれば
    叶わなかったが故に、美化されて保存された思い出に酔うこともあるだろう

    どうにもならないこと
    でも確かに存在したできごと
    それが本書には描かれていた

    再読しながら同書を原作にした映画のシーンを思い出した
    その記憶も美化されているのだろうけど
    せつなかった
    美しかった
    はかなかった

  • ※友人からプレゼント
     2007.10.7売却済み

  • 「世間」と「運命」との激しい軋みあいが、米国中西部の自然にたゆとう男女の恋愛として描かれている。
    「君へと堕ちていく」ということばの重みは、一度でも世間に挑む恋愛を経験したものでないと掴みえないだろう。その意味では、どんな哀しみも無駄ではないのだ。
    ユークリッドの平行線を引き合いに出した終末部では、出逢うはずのなかった(禁断の)恋の可能性を詠いあげている。詩的で、強く、猛々しい。それでいて淋しい。そんな男の横顔を、覗いてみてはいかがだろうか、

  • あまり記憶がないが、思春期の頃読んで、こんなに愛ってすごい強いものなのだなと感心を覚えた。切ないし全てうまくいったから幸せや愛を感じるわけではないのだと思った。

  • [展示]平成のベストセラー本特集:マディソン郡の橋 / ロバート・ジェームズ・ウォラー著 ; 村松潔訳

  • 男は、このような恋愛を下敷きに別の恋を探し求める。女は、このような恋愛を想い出に日々の生活を別の男と営む……

  • 不思議な物語だった。内容的には情熱的な恋愛もの。でも、そのことを子どもに告白したフランチェスカもかっこいいと思ったし、フランチェスカを想うロバート・キンケイドもかっこよかった。

  • '94当時の読書メモより。

    ロバート・キンケイド。彼が撮った写真が見たい。

  • 全く内容を知らずに読み始めました。
    ひとりの男性と女性との恋愛模様。
    恋愛系の話は普段読みませんが、実話をもとにしており
    大いに感動しました。
    お互い好意をもっていたとしても、結ばれない恋。
    とても切ないです。。。

全34件中 1 - 10件を表示

ロバート・ジェームズ・ウォラーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×