発言者たち

  • 文藝春秋 (1993年10月10日発売)
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本 ・本 / ISBN・EAN: 9784163142807

感想・レビュー・書評

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  • <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163142800/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://homepage3.nifty.com/flat_m3/f/noimage.gif" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
    <br clear="left">
     <b>耳を貸しなさい!!
     出版社へのお叱りの手紙、テレビ局への抗議の電話、
     有名人宅への押しかけ、世の中無名の発言したい人ばかり。
     そんな人間の姿をユーモラスに描く長篇小説

     どんな人間でも、己の意を世界に対して投影したいと、発言欲を持っている。
     なのに、発言の権利というものは、万人に公平には配られていない。
     金持ちと貧乏人がいるのと同じように、発言権ありの人間となしの人間
     とに分けられている。自分の発言を世に投げかけることのできない人
     ・・・・・満足できない人は、何らかの方法で、小言をつぶやき始めるのだ。
     そしていつのまにか、そういう活動自体が生きがいになってしまう
     ような人すらいる。(本文より)</b>              (帯より)


    <ruby>番匠<rp>(</rp><rt>ばんしょう</rt><rp>)</rp></ruby>靖之は、乞われるままに雑誌などに雑文を書くことで暮らしを立てている ノンフィクション・ライターである。出版社の編集者との雑談の中で、お叱りの手紙を送りつけてくれる読者たちのことに興味を持ち、これから書いてみたいと思っている小説の題材になるかもしれない、と会いに行く。

    自分の意見を発言する、とはそもそもどういうことなのか、考えれば考えるほど迷路に迷い込む心地になり、番匠の筆は滞りがちになるのだが。

    まったく考えるほどに堂々巡りに陥りそうである。
    ここにこうして本の感想などを書いていること自体、発言欲の押し付けに違いないのだから。著者はまったく痛いところを突いてくるものである。

  • 相変わらず。

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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