山中静夫氏の尊厳死

  • 文藝春秋 (1993年1月1日発売)
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本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163143507

感想・レビュー・書評

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    著者、南木佳士さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    南木 佳士(なぎ けいし、本名:霜田 哲夫、1951年(昭和26年)10月13日 - )は、日本の小説家、医師。既婚。

    代表作は『ダイヤモンドダスト』『阿弥陀堂だより』。自身のうつ病の経験から、生と死をテーマにした作品が多い。

    で、今回手にした、『山中静夫氏の尊厳死』。
    その内容は、次のとおり。(コピペです)

    「先生。苦しくなったら楽にして下さい。…何も言えない状態になっても苦しそうだったら楽にして下さい」 末期癌患者に、医師は尊厳ある死を約束する。医療現場での痛切な体験を祈るように刻んだ力作小説。

    「尊厳死」と「安楽死」。
    どう違うのでしょう?
    この本を読んで、私が思ったのは、「尊厳死」は本人の望む方向で苦痛を減らして死に導くような感じ。
    「安楽死」は家族など本人以外の望む方向で苦痛を減らして死に導くような感じでしょうか。

    152~153ページに、次のように書かれています。

    それまではなんとなく信じられなかった心療内科医の診断を今井は素直に受け入れることにした。肩こり、めまい、下痢、のぼせ、頭痛など、これまでにあまり経験したことのなかった自律神経の失調症状が次から次へと出現してきたが、なるようになれ、と腹をくくった。
    胃が固くなって動かないような気がする、とか、腸が腹の中で勝手に動きまわる、などといった患者の訴えを聞いたことがあるが、ああ、こういうことだったんだな、と初めて理解できたような気がした。元気な頃はなんとなく聞き流していた患者の不定愁訴がこれほど不快なものだとは知らなかった。

    この辺は、うつ状態からくる、自律神経の不調について書かれた箇所です。
    この本は、著者が実際にうつ状態を経験して、間もなく書かれた作品になります。
    引用箇所を読むと、その辺のことが良く分かります。

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著者プロフィール

南木佳士(なぎ けいし)
1951年、群馬県に生まれる。東京都立国立高等学校、秋田大学医学部卒業。佐久総合病院に勤務し、現在、長野県佐久市に住む。1981年、内科医として難民救援医療団に加わり、タイ・カンボジア国境に赴き、同地で「破水」の第五十三回文學界新人賞受賞を知る。1989年「ダイヤモンドダスト」で第百回芥川賞受賞。2008年『草すべり その他の短篇』で第三十六回泉鏡花文学賞を、翌年、同作品で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。ほか主な作品に『阿弥陀堂だより』、『医学生』、『山中静夫氏の尊厳死』、『海へ』、『冬物語』、『トラや』などがある。とりわけ『阿弥陀堂だより』は映画化され静かなブームを巻き起こしたが、『山中静夫氏の尊厳死』もまた映画化され、2020年2月より全国の映画館で上映中。

「2020年 『根に帰る落葉は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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