石の来歴

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
3.28
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784163146201

感想・レビュー・書評

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  • いいなぁ。素晴らしかった。摩訶不思議な物語だけど‥最後の文にたどり着いた時、急激に胸が熱くなって込み上げてくるものがありました。地球の、もっというと宇宙の、人間もその営みやサイクルの要素のひとつで、それによって生を肯定してくれるように感じます。

  • 石の来歴と三つ目のナマズの2話であった。医師の来歴では、戦争中に仲間の病気の日本兵を大尉の日本刀で殺すという場面と、その洞穴で日本兵から石についての話を聞いて石を集めるということである。そして長男をその石の採掘の洞穴で誰かに殺され、次男も誰かを殺したという暗い話である。場面が埼玉ということで文学紀行での紹介である。三つ目のナマズは父親の肺がんでの死亡で火葬場のそばの川でお盆に釣りをする話である。父親が三つ目のナマズを釣ったということを聞き書きしている。

  •  
    ── 奥泉 光《石の来歴 1993‥‥ 19940201 文芸春秋》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4163146202
     
     
    (20231128)

  • 「石の来歴」
    石に刻まれた歴史…暴力性の連鎖?の話でもあるか。専門用語と解説が長いので、ややストーリーを忘れそうになる(石は自分も好きだけれど)
    ラストはループものとしての作りなのか、主人公が最期に見た夢だったのか…設定とかは好きだけど、イマイチ理解しきれず終わってしまった

    「三つ目の鯰」
    こちらも宗教解説部分が長く↑と同じような感じに…。

  • 2022.11.7 60
    三つ目の鯰が好きだった。山形の風景がリアルに感じられた。郷愁、血縁、家族。

  • H28/2/9

  • シューマンの指で知ったので

  • 学園闘争が突飛すぎる。戦争、息子の幼少期、現在が激しく移動し続ける中で、石だけはじっと変わらない。石の一部になろうとしているようかの主人公の「静」の姿が、際だって目立つ。

  • 芥川賞 初版

  • 物言わぬ石に憑れた男の家族を襲った悲劇を描いた作品。こういう男性を夫や父に持ってしまった家族は災難だなー
    『三つ目鯰』は基督教文学というより基督教をモチーフにした私小説な気がする。

  •  大尉の声はたちまちにして内蔵から骨までを掴んだ。艶のあるその声は迸る黒い水となって軀の隅々にまで迅速に行き渡り、抵抗がありえぬばかりか、命令の恐ろしさも消えて、哀切で悲壮な物語に投げこまれた己がいとおしくさえも感じられる。誰を殺すべきなのかは分かっていた。
    (P.63)

  • 中3のときの課題図書。主人公が石に熱中していく様は、なかなかリアリティがありますね。

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著者プロフィール

作家、近畿大学教授

「2011年 『私と世界、世界の私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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