タイムスリップ・コンビナート

  • 文藝春秋 (1994年1月1日発売)
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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784163151205

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞受賞の「タイムスリップ・コンビナート」、「下落合の向こう」、「シビレル夢の水」を収録。マグロと恋愛する夢に困っている日々で、ある時知らない人物からやたら外出を勧める電話がかかってくる。結局、JRの海芝浦駅という東芝の社員ゲートと海しかない駅に行くことになる。電車に乗って駅に向かう間、自分の過去を様々に振り返る。風景と過去が混じって面白いけれど、少し難解かな…

  • 三つの短篇集。表題作は、マグロと恋愛する夢を見た女性が、一本の奇妙な電話で海芝浦を目指す話。筋だけ書くとこうなるが、海芝浦への道のりは駅と過去を巡る小紀行のようで、そこにマグロの気配が介在するから謎めく。思考が現実と妄想を往来し、どこか心許ない感じが好き。「下落合の向こう」は短め。「シビレル夢ノ水」は蚤と夢現のグロテスクな描写に美を感じるあたり、純文学とはこういうものを指すのだろうなと思えた。

  • 不思議な小説。そしてあとがきのインタビューが補完的。私小説を突き詰めると現実を飛び越える。自分というものを幻視すると見えてくるもう一つの世界。確かにガルシア•マルケスの百年の孤独に似たマジックリアリズムを感じさせる。でも、その作品内の歪な世界観に面食らう。読んでいて、目眩を感じ、幻惑的な穴にズブズブとはまっていく。人を選ぶ小説だと思った。

  • 安濃図書館。

    作者は三重県出身(四日市?)。

  • 角川ホラー大賞のレベルで怖い。

  • 第111回 芥川賞 初版

  • 鶴見では起こりそうな話。。。

  • 芥川賞受賞作であるが、私にはよくわかりません。

  • 第111回芥川賞〜受賞作:編集者に云われて,海芝浦に嫌々出掛けていく〜わっけ分かんない・・・同い年で,今は佐倉に住んでるんだよね・・・幻想に囲まれて

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著者プロフィール

笙野頼子(しょうの よりこ)
1956年三重県生まれ。立命館大学法学部卒業。
81年「極楽」で群像新人文学賞受賞。91年『なにもしてない』で野間文芸新人賞、94年『二百回忌』で三島由紀夫賞、同年「タイムスリップ・コンビナート」で芥川龍之介賞、2001年『幽界森娘異聞』で泉鏡花文学賞、04年『水晶内制度』でセンス・オブ・ジェンダー大賞、05年『金毘羅』で伊藤整文学賞、14年『未闘病記―膠原病、「混合性結合組織病」の』で野間文芸賞をそれぞれ受賞。
著書に『ひょうすべの国―植民人喰い条約』『さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神』『ウラミズモ奴隷選挙』『会いに行って 静流藤娘紀行』『猫沼』『笙野頼子発禁小説集』『女肉男食 ジェンダーの怖い話』『解禁随筆集』など多数。
11年から16年まで立教大学大学院特任教授。

「2025年 『白内障完治年の老婆カレンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笙野頼子の作品

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