彦九郎山河

吉村昭

• 文藝春秋 (1995年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[herzenさんの感想 · 2017年8月16日]

故事開始時彥九郎在江戶學習漢學，理想是傳統的朝廷復興的文治政治。而他家鄉因為凶暴的兄長讓他不敢回去，但是放著妻小被凌虐，他沒膽回去這點我覺得有點糟糕，寫得冠冕堂皇八成是因為參考日記?實際上則不得而知。他祖父留下大量財產因此他可以專心於學問，但是為了專心於他的文治理想，他最終和妻小離緣。後來他決定往蝦夷地前進，一路住宿友人家(他怎麼那麼習慣住別人家，這點我覺得很不可思議..至少以現代日本人的個性來說)看到天明大饑饉的慘狀，到了松前發現因為去年的蝦夷叛變管制嚴格無法渡海，於是他又突然改變心意決定去京都。此時京都正好是大火後依照古法興建新御所，幕府(松平定信)對朝廷做出一些讓步前所未有，彥九郎馬上居奇認為可以繼續對幕府更進一步，正好時值光格天皇想要冊封自己的父親為上皇引起一陣討論，彥九郎認為逼迫幕府再後退，這正是實現文治政治重要的轉機。此時正好認識的畫家的友人在琵琶湖抓了綠毛龜，他認為這正是文治政治的祥瑞之兆，因此四處秀烏龜給公卿甚至獲得天覽機會(這個時代的單純也很令人吃驚，一隻烏龜可以讓他舞這麼久秀這麼久)。後來他決定要拉攏薩藩給幕府壓力實現這個尊號計畫，接觸後的感覺也不錯，於是帶著眾人的祝福和五百張烏龜的版畫(這....)出發。由於在京都秀烏龜時就開始有幕府密探盯上他，於是他採取假裝遊山玩水的策略前進，不想被知道目的地。到了薩藩，雖然齊宣認可他的朝廷復權理想，但是引退的重豪派並不支持，所以他發現氣氛越來越險惡應該沒望了於是離開，但是又擔心回京被密探抓，因此繼續在九州晃來晃去寄住友人家想探聽尊號的消息但都得不到，還幾次被密探趕。後來遇到薩藩参勤交代的行列馬上去找赤崎，得知這個計畫已經被幕府正式否決了。於是他突然萬念俱灰，居然就在借住的友人家裡切腹自盡。

讀這本書時感覺好像日記，太過繁瑣，忠實地記錄彥九郎去哪件哪些人等等，有些無趣，結果看卷末吉村果然真的是參考他的日記。但也因為忠實的事務性記錄，所以其實感覺不出這人真實的人物像(都是本人觀點)。再者，相較於吉村讀日記對彥九郎所獲得的感動稱為奇士，我反而只覺得真的是超級怪人，那種極端無知又有自信的基本教派主義者般的人，我感覺不太出對此人尊敬的點在何處，然後四處住別人家都不感到有任何歹勢，這種超厚臉皮也是極度罕見的，不禁讓我覺得他對妻小那樣是否只是他就只是一個徹底的自私的人？至於他不斷遊歷闊談，說不定也只是那些老調重彈吧，儒學是需要活用於當下的學問，但這些人沉溺空想和基本教義的行為真的讓我覺得這真的不像儒學，只是狂信的宗教而已。

彥九郎的大銅像樹立在三條大橋朝拜著御所，問他做什麼沒太多人知道，但讀完這本我覺得此人真的什麼都沒做，雖然是儒學者，理想體系毋寧更接近狂信的宗教家罷了(也可能是朱熹的新儒學就是這種封閉的調調的關係)，他個人就像單純是天皇家的瘋狂粉絲的感覺。或許他個人有啥學術上的體系或見解或學養，不過至少這部以日記為根基的小說感受不到這點，大概因為流水帳也太多了。然後有點完全不顧他人感受這點讓我不禁覺得其實他應該並不受歡迎吧?他待久的地方可能就像薩藩一樣的反應吧。總之是一個很難讓人抱持同感的主角就是了。

[a24sさんの感想 · 2010年4月7日]

京都の人なら知っている、三条大橋の土下座の銅像の人、である。
今般、吉村昭の小説で、はじめて高山彦九郎という人を知った。で、ああ、あの大きな銅像の人なのね、とイメージがつながった。

江戸後期の儒学者で、寛政の三奇人と呼ばれた。
三奇人のうちのあとの二人は、林子平と蒲生君平。
この林子平は過日仙台訪問のおり、銅像と三奇人といわれた由の碑文をたまたま見てきたところだ。奇人とは変人のパラではなく、むしろ類いまれなる秀でた人という意味だと言うけれど、たしかに奇人は敬服すべき人のようだった。
では彦九郎は何をした人かと問われれば、一言で言えるような何ごとかはなしていない人である。弘前から鹿児島、日本中を歩き回り各地の儒学者等と親交を結び、きたるべき幕末の思想的礎の一翼を担った人とでも言えようか。
４６歳のときに自刃。

吉村の描くところの彦九郎の半生記において、山場は２カ所ある。
１つは前半の東北地方での飢饉の様子。
２つは後半の尊号一件が成就するか。
大河ドラマにするならば、歴史のうねりに翻弄されて・・・みたいな山場中心に描くのだろうけれども、吉村は大河ドラマ派ではないからむしろよりもミクロの部分を描き込んでいる。
また、主人公の死はエンディングによくあるパターンだが、尊王運動がうまく行かずダメダメで死んでゆく主人公を見送るのは物語の収束としては難しいものがある。しかし、吉村が描くと、心身ともに疲れ果てて自刃に至る過程は、人の生涯は物語とは異なるのだと、彦九郎が生々しく生きていたことを読者に刻み付けることになる。これが人のリアルなのだろうと。

著者プロフィール

一九二七（昭和二）年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六（平成一八）年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」