熊谷突撃商店

  • 文藝春秋 (1996年1月1日発売)
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本 ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784163159805

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  • 【熊谷突撃商店】ねじめ正一さん

    松田優作さんの義理母をモデルにした肝っ玉母さんの物語

    運良く開戦前に満州から引き上げてきた時は2歳だった。
    父親の顔は覚えていないが、美しい母がキヨ子には自慢だった。

    父親は戦後満州で行方不明になり、母親の女手一つで育てられた
    キヨ子は天性の明るさで戦後のモノの無い時代を生き抜いていく。

    負けん気の強い少女時代。中学を卒業し紡績会社を就職先に
    選んだのは、その会社が一番東京に近かったからだ。

    キヨ子は東京に憧れた。

    友だちがナイショでキヨ子の名前で文通欄に応募したコトが
    きっかけで熊谷俊男と知り合い、初の東京旅行で熊谷と会う。

    世間知らずのキヨ子は熊谷の事務所で一泊することになり、
    不本意ながら初体験をしたキヨ子は熊谷と結婚する意志を
    かため、両親の猛反対を押し切って熊谷と結婚する。

    結婚後、熊谷は既に二度の結婚暦があり、親戚に預けいる
    実子までいるコトが判明するが、キヨ子はその子どもを引き取って
    育てる決意をする。

    熊谷は山っ気のあるヤクザな男で浮気性でもあった。

    不動産会社を辞めた熊谷は、これからは商売の時代だと考え
    何でも安く売る店を始め、コレが当たった。

    仕入れは熊谷が担当し、販売はキヨ子が行った。

    多少の波風はあったものの、商売は順調に進み、その中で
    キヨ子は二子をもうけ子育てと商売に負われた毎日を過ごす。



    苦難からも決して逃げない強い母親。
    天性のプラス思考。。

    逃げているばかりでは物事解決しない。
    そういう元気をもらえるような一冊でした。(^^)/

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著者プロフィール

ねじめ正一
1948年東京都生まれ。詩人、作家。 
詩集『ふ』(櫓人出版会)でH氏賞、『高円寺純情商店街』(新潮社)で直木賞、『荒地の恋』(文藝春秋)で中央公論文芸賞、『商人』(集英社)で舟橋聖一文学賞、『まいごのことり』(佼成出版社)でひろすけ童話賞、『ひゃくえんだま』(鈴木出版)でけんぶち絵本の里大賞びばからす賞を受賞。
主な児童作品に『ぞうさんうんちしょうてんがい』(くもん出版)、『ずんずんばたばたおるすばん』(福音館書店)、『みどりバアバ』(童心社)など多数ある。

「2022年 『たんていベイビー きえたヤギのおばあさん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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