豚の報い

著者 :
  • 文藝春秋
3.17
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本棚登録 : 84
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163162102

作品紹介・あらすじ

陽気で、のびやかで、ひたむきな沖縄式生き方。選考委員の圧倒的支持を得た芥川賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • ユーモアのなかにひっそりと隠された、沖縄に生活する人々が抱える悲しさが伝わってきました。特に、豚を食べて下痢で下着を汚して主人公に下半身を拭ってもらうスナックの女の惨めさやベトナム戦争に赴く前の米兵の不安が痛々しかった。 全編を通して抑制気味の筆致が私には心地よかったです。

  • H27/11/9

  • 又吉直樹さんがこの作品に触れていたので、読んでみた。
    少し前の沖縄を匂いとともに感じさせる。場末のスナックというのもいいね。懐かしく妖しい空気が漂い、ほんのり憂いも効いて、実家の沖縄に無性に帰りたくなりました。
    読んでよかった。

  • 2011年5月27日(金)、表題作のみ読了。

  • ・近くの市民センター図書室でタイトル借り。
    ・表題作は男一人と女四人が繰り広げる、コミカルなんだけどなんだか哀しくて、けれどなんかやかましくてかつ若干淫靡な独特の雰囲気を持つ作品。こいうのが沖縄の空気なのかなーって少し思った。風葬した父親の骸を御嶽に仕立てる、ってあたりは良く理解できなかった。
    ・どっちかとういうと収録されたもう一編の方が好き。ベトナム戦争当時の沖縄に住むハーフの女の事脱走兵の心理を、ちょっとおしゃれな小道具をちりばめて、なんとなく背伸びした感じで描いてた。こっちにも共通するのはやっぱり哀しさだった。

  • うーん、大好きな沖縄の話だから楽しみにしていたのだけれど・・・。でも小説ってこういうものかも・・。

  • 第114回 芥川賞 初版

  • 濃い味付けだが、後味は意外とさっぱりしている。そんな作品。
    よくよく考えると不思議な体験が綴られているのだが、それを、どこにでもありそうな当たり前の風景として読者に伝えてくれる気がする。

  • 誰かに相談を受ける場合があります。

    的確なことをしっかりと言えればそれに越したことは無いのですが・・・

    難しいですよね。
    安易なことはいえないし、かといって何も言ってあげられないものつらい。

    なによりも、相談受けた側としては、
    何か言わないことには責任が果たせないような気もしますし。

    でもそんなときは、とりあえず静かに聴くしかないでしょうね。
    静かに聴いていたほうが、何か迂闊なことを言うよりはましなような気がします。
    相談する方も話せる限り話すと、なにかふいに解決策が浮かんだりするものですし。

    人の話を聴くのにも技術がいるそうですけどね。


    表題作は第114回芥川賞受賞作品だそうです。

    ………

    正吉は正面に座った。だが、正吉の父はそっぽを向いている。
    正吉は向こう側にまわった。正吉と目が合った正吉の父は笑いかけた。
    正吉も笑った。

    ………

  • あー・・・芥川賞だな ってかんじ。

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著者プロフィール

1947年沖縄生まれ。琉球大学法文学部史学科卒。1978年 『ジョージが射殺した猪』で第8回九州芸術祭文学賞受賞。  1980年 『ギンネム屋敷』で第4回すばる文学賞受賞。  1996年 『豚の報い』で第114回芥川賞受賞。

「年 『パラシュート兵のプレゼント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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