- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163166308
感想・レビュー・書評
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不思議な雰囲気の短編集。
淡々とした文書が心地良い。
「沈黙」が好き。 -
④/79
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この本読んで改めて思ったんだけど、この人の作品の、特に「死」に関連している作品がすごく心に残る。
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短編集。村上さんが迷走してしまったかのような作品が多い。めくらやなぎ?
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図書館で借りて読む。短編集。あまりグッとくる話はなかったが、それなりには面白かった。沈黙と7番目の男が心に残った。
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レキシントンの幽霊☆Lexington マサチューセッツ州 入植時代の歴史都市
緑色の獣
沈黙
この男にはおそらく本物の喜びや本物の誇りというものは永遠に理解できないだろうと思いました。体の奥底から湧き上がってくるようなあの静かな震えを、この男はきっと死ぬまで感じることはないのだろうと。ある種の人間には深みというものが決定的に欠如しているのです。
氷男
トニー滝谷
トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった。
トニー滝谷の人生の孤独な時期は終了した。朝目覚めると彼はまず彼女の姿を求めた。となりに彼女の眠っている姿が見えるとほっとした。姿が見えないときには不安になって家じゅうを捜しまわった。孤独ではないということは、彼にとっていささか奇妙な状況であった。孤独でなくなったことによって、もう一度孤独になったらどうしようという恐怖につきまとわれることになったからだ。ときどきそのことを思うと、彼は冷汗が出るくらい怖くなった。そういう恐怖は結婚して三ヵ月ばかり続いた。
そのとき、交差点を黄色の信号で無理に突っ切ろうとした大型トラックが彼女の運転するブルーのルノー・サンクの鼻先に横からフルスピードで突っ込んできた。彼女には何かを感じる暇さえなかった。
あれだけの服を買い集めるには、きっとものすごいお金と時間がかかったに違いない。でもその人はもう死んでしまったのだ。部屋ひとつ分のサイズ7の服をあとに残して。あんなに素敵な服をいっぱい残して死んでしまうというのはどんな気持ちのするものなのだろう、と彼女は考えた。
七番目の男
めくらやなぎと、眠る女 -
怖い?