レキシントンの幽霊

著者 :
  • 文藝春秋
3.36
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163166308

感想・レビュー・書評

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  • 短編集。孤独や解放や追憶について。絵が目の前に浮かぶような文章。

  • 不思議な雰囲気の短編集。
    淡々とした文書が心地良い。
    「沈黙」が好き。

  • ④/79

  •  この本読んで改めて思ったんだけど、この人の作品の、特に「死」に関連している作品がすごく心に残る。

  • 淡々とつづられる短編集なのに、ひとつひとつの話しがとても気にかかるのはなぜだろう。個人的には、「沈黙」と「七番目の男」が好き。「レキシントンの幽霊」も結構好き。「沈黙」と「七番目の男」、この2つは何か深い所に降り積もった感じ。また、いつか読み返してみたい。長い年月の話をこんなにも短い小説の中で深々と伝えられるなんて、、、という感じ。

  • 短編集。村上さんが迷走してしまったかのような作品が多い。めくらやなぎ?

  • 図書館で借りて読む。短編集。あまりグッとくる話はなかったが、それなりには面白かった。沈黙と7番目の男が心に残った。

  • 再読。ネタバレだよ。

    「沈黙」 村上春樹の、もっとも村上春樹的でない小説。学生時代にくりかえしくりかえし読んだ。はずだけど、この短編集に収まっていることすら忘れてた。忘れますね。昔のことは。実際に体験したわけではないけど、よくわかるんだよね、顔のない人々の悪意のない悪意。それが塊になっておそってくる。決定的に損なわれるまで。今でいえばネット的ではあるな。こういうネガティブな局面をうまく堪え忍ぶ、というか乗り切るというのがすごく大事なんだとは思うね。

    「トニー滝谷」
    はっきり言ってですね、宮沢りえさんとイッセー尾形氏の映画ってイメージぶちこわしなんですね。これは個人の感想で大きなお世話で申し訳ないと思うんですが。(映画は見てないのよ。ええ。偏見です。)だから、あまりいい印象が残ってなくって、でも読み返してみておもしろかった。滝谷省三郎から、息子に続く流れとかね。
    村上氏ご本人が、たしか、「最初に題名を思いついて、そこからストーリーをあとから作った」的なことを言っておられたと思いますが、その話を読んでそれはよくわかるとおもったんですよ。芋づる式にストーリーをつないだテキトー感が、そういう感じでいいなと。(個人の印象です。すみません。)

    「氷男」「緑色の獣」なんかは、村上春樹的ね。見方によってはこの時代の不条理漫画的でなくもないね。吉田戦車的な。

    「めくらやなぎと、眠る女」短い方。長い方とはずいぶん印象が違う。はず。長い方は読み返さないと思い出さないけど。

    「レキシントンの幽霊」
    これはあまりおもしろさがわかりませんでした。

  • レキシントンの幽霊☆Lexington マサチューセッツ州 入植時代の歴史都市

    緑色の獣

    沈黙
     この男にはおそらく本物の喜びや本物の誇りというものは永遠に理解できないだろうと思いました。体の奥底から湧き上がってくるようなあの静かな震えを、この男はきっと死ぬまで感じることはないのだろうと。ある種の人間には深みというものが決定的に欠如しているのです。

    氷男

    トニー滝谷
     トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった。
     トニー滝谷の人生の孤独な時期は終了した。朝目覚めると彼はまず彼女の姿を求めた。となりに彼女の眠っている姿が見えるとほっとした。姿が見えないときには不安になって家じゅうを捜しまわった。孤独ではないということは、彼にとっていささか奇妙な状況であった。孤独でなくなったことによって、もう一度孤独になったらどうしようという恐怖につきまとわれることになったからだ。ときどきそのことを思うと、彼は冷汗が出るくらい怖くなった。そういう恐怖は結婚して三ヵ月ばかり続いた。

     そのとき、交差点を黄色の信号で無理に突っ切ろうとした大型トラックが彼女の運転するブルーのルノー・サンクの鼻先に横からフルスピードで突っ込んできた。彼女には何かを感じる暇さえなかった。

     あれだけの服を買い集めるには、きっとものすごいお金と時間がかかったに違いない。でもその人はもう死んでしまったのだ。部屋ひとつ分のサイズ7の服をあとに残して。あんなに素敵な服をいっぱい残して死んでしまうというのはどんな気持ちのするものなのだろう、と彼女は考えた。

    七番目の男

    めくらやなぎと、眠る女

  • 怖い?

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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