レキシントンの幽霊

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 126
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163166308

感想・レビュー・書評

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  • 村上春樹に期待しすぎて撃沈・・どれもいまいち・・

  • 著者はあとがきに <書いているときは、とくに深く考えもせずに、書きたいことを書きたいように書いていただけなのだが、こうして年代順に並べてまとめて読んでみると、それなりに自分で「なるほど」と思うものはあった。ひとつの気持ちの流れの反映であったのだなと思った。> と述べている。
    わたしはこの短編集を「孤独」の流れとして読んだ。
    レキシントンの幽霊では彼の微かな足音を聞き、緑色の獣では彼がその姿を現し、沈黙と氷男とトニー滝谷では彼と対峙し、七番目の男では彼に打ち勝つ希望を見て、めくらやなぎと、眠る女では彼と共に生きる一歩を踏み出す。
    個人的には、陰鬱な音楽が支配しているトニー滝谷が一番好き。沈黙~トニーまでの流れは、どうにも泥沼から抜けられなさそうだったが、そんな期待をいい形で裏切る著者はサービス精神旺盛だ。短編集なのに、ひとつの話になっていてとてもおいしい一冊。

  • 長編も確かにイイですが、短編もかなりすきです。

  • 村上春樹は長編より、こんな短編やエッセイの方がおもしろいなぁ。いつものように「損なわれた人たち」のお話だけど、あとがきがついているのも新鮮。

  • 不思議で、ちょっと怖い話が7編。どれも味のある素敵な話でした。

  • 著者いわく「長いものを短く、短いものを長くするのに凝っていた」時期の短編集だそう。
    村上春樹独特の世界観は、どちらかというと影を潜めていて
    割と読みやすい短編集だけど、
    読後のあの感じ(言葉では表せないけど)は健在。

    七つの短編のうち
    一番好みなのは「トニー滝谷」
    一番村上春樹「らしい」のは「七番目の男」。

  • 美しい、好き

  • 『レキシントンの幽霊』の中の
    「七番目の男」は何故か読めない。

    何年も前に借りた時も、一年ほど前に借りた時も、
    読めなかった。だから、未だに購入出来ず。
    今回も何度も挑戦はしたんだけど。
      「その波が私を捉えようとしたのは、
       私が十歳の年の、九月の午後のことでした」
      と七番目の男は静かな声で切り出した。
    結局、その二行から進めない。いつか、またにしよう。

    「氷男」「トニー滝谷」
    失くして初めて、人は無くなった事に気付く。
    でも、出会った事も、失った事も、
    その事実より以上のものを、私達自身に残していく。
    そんな風に感じた。
    村上春樹は、この物語にどんな音楽を載せたんだろう。

  • 子供の頃、台風の目にはいったときを見計らって
    友達と一緒に海岸へ向った。
    用心して普段なら絶対に波の届かないところにいたはずなのに
    いつのまにか足元まで波がこっそりと打ち寄せていた。
    逃げようと思って友達に声をかけたが彼は何かに夢中になって気づかない。
    彼をひっつかんで逃げようと思うが
    恐怖のあまり1人だけ防波堤へと走ってしまい、彼は波に呑みこまれていった。
    「七番目の男」ほか全7編。
    装丁:坂川栄治

    どことなく怖い話ばかりです。
    氷男とか緑の獣とか実際にはありえないものが出てきているはずなのに
    主人公の心の動きにとてもリアリティがあってぞっとする。
    「沈黙」は実際のいじめってまさにこういう原理でおきていると思う。
    大衆が一番怖い。

  • 星3つ半。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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