髪結い伊三次捕物余話 幻の声

  • 文藝春秋 (1997年1月1日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784163168708

感想・レビュー・書評

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  • ろくでなしの間夫をかばって死罪になろうという芸者の心情は? 表題作など、捕物にしっとりとした男女の交情を滲ませた時代連作。
    (1997年)

  • 余話 という言葉の意味。捕り物推理というより、その背景の人情が主である。宇江佐さんのデビューというか、最初の直木賞候補。その後何度がノミネートされながら、直木賞を受賞できないまま時代物の大家となってしまった。(直木賞選考委員の視力不足?笑い) 人物像も周りの人々の情感喪つつましく、優しい。

  • 連作短編5編
    捕物やいわゆるミステリー的な要素も面白いのだが、それより人情とか家族、想い人とのあれこれが魅力的だ。

  • シリーズもの。
    最後のお話が、このシリーズの今まで読んだ中ではベスト3に入るくらい好きになった。

    切なくて悔しくて悲しいけれど、どこかほっこりする。

  • 伊佐次は同心・不破友之進の小者も務める髪結い。
    売れっ子芸者のお文とは長い付き合いで…、とスタートした伊佐次シリーズ。
    優柔不断気味ながらも人情に厚い伊佐次と、ちゃきちゃきで頼れるお文。
    二人がいいバランスで、不破家も武家ながら、伊佐次やお文と持ちつ持たれつのいい関係。
    シリーズは進み、みんなに家族が増え、いろんなキャラがあって楽しい。
    捕物余話というタイトル通り、捕物と登場人物それぞれのストーリーがバランス良くて心地いいシリーズ。

  • 髪結い伊三次シリーズ1巻目。 貧しくても温かい人情あふれる時代劇でした。 捕物余話とあるだけに、捕物前後の事情を詳しく書かれてあり 結果が悲劇に終わっても、共感できました。

  • なんか歳とってくると戦国とか幕末の激動の時代を描いたものじゃなくこういう市井の生活感溢れる時代小説のほうが読みやすくなってくる。廻り髪結い伊三次の事件簿。

  • 再読。

  • (100907)髪結い伊三次捕物余話となってるぐらいなので伊三次視点の話なのかと思ってたら、伊三次だけでなく周りの人間からの視点が続く構成になっていました。それぞれ独立した事件を伊三次の周りの人間が語る事により、いろんな角度の伊三次が浮かび上がり、最後の話では伊三次の気持ちがすっと入り込み、一緒に泣いてしまいました。
    本当にどうしようもない事ってたくさんあるケド周りの人間によって、どうにか心が落ち着いちゃう事ってありますよね。
    日本人の情や粋な心をもっていたいと思いました。

  • 江戸に生きる登場人物が生き生きと書かれ、真っ直ぐさがいい。すっかり入りこんで伊三次の応援してました。

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著者プロフィール

1949年函館生まれ。95年、「幻の声」で第75回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。2000年に『深川恋物語』で第21回吉川英治文学新人賞、翌01年には『余寒の雪』で第7回中山義秀文学賞を受賞。江戸の市井人情を細やかに描いて人気を博す。著書に『十日えびす』 『ほら吹き茂平』『高砂』(すべて祥伝社文庫)他多数。15年11月逝去。

「2023年 『おぅねぇすてぃ <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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