月のしずく

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163172606

感想・レビュー・書評

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  • 2018/07/25
    かくも哀しい話をさりげなく伝える浅田ワールド

  • 三十年近くコンビナートの荷役をし、酒を飲むだけが楽しみ。
    そんな男のもとに、十五夜の晩、偶然、転がり込んだ美しい女―出会うはずのない二人が出会ったとき、今にも壊れそうに軋みながらも、癒しのドラマが始まる。
    表題作ほか、子供のころ、男と逃げた母親との再会を描く「ピエタ」など全七篇の短篇集。
    (アマゾンより引用)

    最後の話は好きだったな(*´∀`*)

  • 2015年1冊目の読書の記録は、浅田次郎の短編集。
    彼の書く作品の人間模様はとても繊細で、切なくて、温かい。
    自分が人の温かさに飢えてる時に読むと、胸が押しつぶされてしまうんじゃあないだろうか、って思うような細やかさにあふれています。

    この短編集には7編の短編が収められています。
    ひょんなことから目の前に現れた美女に恋心を抱く、コンビナートの工員、昔の恋人への想いを抱えたまま結婚生活を送る女、幼いころに自分を捨てた母に会うためにイタリアを訪れる女とその婚約者。
    さまざまな人物が織りなす、愛と情の物語です。
    恋人、夫婦、友情、家族、親子、さまざまな情があって、それぞれに物語があるのです。
    そして、別離であったり、ともに歩む道であったり、登場人物たちが選ぶ道もまたさまざまで、その先に訪れるのが必ずしもハッピーエンドではなかったとしても、何らかの光がさすような情景を思い浮かべることができる。

    短編であろうと長編であろうと、とても上手に「切なさ」を詰め込んでくる、とても「上手い」作家さんだなぁって思います。
    もちろん、ねらいすまされた感があるのは確かだけれど。
    いとおしいと思う気持ちと切ないと思う気持ちを感じることのできる短編集です。

  • 大好きな小説の一つ。浅田次郎さん、恋愛から大笑いするエッセイまでほんとにジャンルが広い。まわりに是非どうぞとすすめたくなる一冊です。

  • 【月のしずく】 浅田次郎さん

    43歳、独身。学もなく、未来への希望も無く、たた黙々とコンビナートで働く佐藤辰夫。そのコンビナートにもオートメーション化の波が押し寄せ、人員整理が行われ始めていた。学も技術もない辰夫にはこのコンビナートしか生活の糧を稼げる仕事がない。

    独身の辰夫は格好のリストラ要因だった。辰夫の同期の班長は辰夫に結婚を勧める。相手は誰でもいい、結婚さえすればコンビナートに残れるように推薦出来るというのだ。しかしコンビナートでパッキンを運ぶしか出来ない辰夫は結婚などハナっから諦めている。そんな辰夫の前に一人のオンナが現れた。ベンツに乗った男とケンカをし、顔を殴られコンビナートに棄てていかれたオンナを目撃した辰夫は彼女を介抱し家に連れ帰ったのだ。
    人畜無害だけが取り柄の辰夫はオンナを介抱した後、眠っているオンナに手紙をしたためて仕事に出かける。手紙にはタクシー会社の電話番号が記されていた。仕事が終わり家に戻って見ると、帰ったとばかり思っていたオンナが辰夫の部屋を掃除していた。しばらくこの家に置いて欲しいという。
    オンナの身の上話を聞く内に辰夫は年甲斐もなくオンナに惹かれていくのだった。



    表題作「月のしずく」、他8編。
    アマゾンの説明では「癒しと再生を描く」と書かれていましたが、
    わたしがこの本を読んで感じたテーマは「男の純情」でした。哀しくもあり、美しくもあり、心にしみ込んで行くような切ない物語の詰め合わせ。。
    浅田次郎さんの本はホントにジャンルが広い。。

  • タイトルになっている月のしずくにしても、次の章の聖夜の肖像にしても、シンクロニシティを感じ、文章の向こう側にある情景が浮かぶとても良い作品。

  • 泣いてから読むか、読んでから泣くか。

  • 学もなく工場のラインで働く中年の辰夫。ひょんなことで家に泊めた女リエに惹かれていくが・・・『月のしずく』。深く自分を愛してくれる夫がいながら、昔の恋人を忘れられない『聖夜の肖像』。自分を捨てた母親に会いにイタリアへ行く『ピエタ』。

    『鉄道員』と同じような感じの本でした。どれもそれぞれいいんだけど、スッと抜けてしまった。この人の作品はやっぱり長編がいいのかな。

  • 優しい短編集。後味がすごくいい。

  • これは自宅で読むことをお勧めします。

    涙が止まりませんでした。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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