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本 ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163172606
感想・レビュー・書評
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2018/07/25
かくも哀しい話をさりげなく伝える浅田ワールド詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015年1冊目の読書の記録は、浅田次郎の短編集。
彼の書く作品の人間模様はとても繊細で、切なくて、温かい。
自分が人の温かさに飢えてる時に読むと、胸が押しつぶされてしまうんじゃあないだろうか、って思うような細やかさにあふれています。
この短編集には7編の短編が収められています。
ひょんなことから目の前に現れた美女に恋心を抱く、コンビナートの工員、昔の恋人への想いを抱えたまま結婚生活を送る女、幼いころに自分を捨てた母に会うためにイタリアを訪れる女とその婚約者。
さまざまな人物が織りなす、愛と情の物語です。
恋人、夫婦、友情、家族、親子、さまざまな情があって、それぞれに物語があるのです。
そして、別離であったり、ともに歩む道であったり、登場人物たちが選ぶ道もまたさまざまで、その先に訪れるのが必ずしもハッピーエンドではなかったとしても、何らかの光がさすような情景を思い浮かべることができる。
短編であろうと長編であろうと、とても上手に「切なさ」を詰め込んでくる、とても「上手い」作家さんだなぁって思います。
もちろん、ねらいすまされた感があるのは確かだけれど。
いとおしいと思う気持ちと切ないと思う気持ちを感じることのできる短編集です。 -
大好きな小説の一つ。浅田次郎さん、恋愛から大笑いするエッセイまでほんとにジャンルが広い。まわりに是非どうぞとすすめたくなる一冊です。
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タイトルになっている月のしずくにしても、次の章の聖夜の肖像にしても、シンクロニシティを感じ、文章の向こう側にある情景が浮かぶとても良い作品。
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泣いてから読むか、読んでから泣くか。
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学もなく工場のラインで働く中年の辰夫。ひょんなことで家に泊めた女リエに惹かれていくが・・・『月のしずく』。深く自分を愛してくれる夫がいながら、昔の恋人を忘れられない『聖夜の肖像』。自分を捨てた母親に会いにイタリアへ行く『ピエタ』。
『鉄道員』と同じような感じの本でした。どれもそれぞれいいんだけど、スッと抜けてしまった。この人の作品はやっぱり長編がいいのかな。 -
優しい短編集。後味がすごくいい。
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これは自宅で読むことをお勧めします。
涙が止まりませんでした。
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