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本 ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163176208
感想・レビュー・書評
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「人は自分について何も知らない。自分であることに徐々に慣れていくものだと思っている。しかし、事実はその逆である。」(書き出しより)
毎日午後四時にやってくるのに、何も話すわけでもなくただ座っているだけ。
男はなぜやってくるのか?主人はなぜ追い返せないのか?
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人は普段と違う場面に出くわしたとき、自分の知らなかった自分に出合うことがあります。
たとえば、老人に席を譲ろうとしたけど勇気を持てず譲れなかったとき。
たとえば、嫌な店員に思わず文句を言ってしまったとき。
自分はこんなにも弱い、あるいは嫌な性格だったのか、と気づくことがあるものです。
自分であることに慣れるどころか、自分がわからなくなる場面も確かにあるのです。
とんでもない方向から、不意打ちを食らった一冊でした。
あなたは本当の自分を知っていますか?
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ブラックユーモアの利いた作品から、人間の醜さや滑稽さが立ち上っている。夫婦の余生に恐ろしい邪魔が入る、というところまではありがちだけど、そこからの展開が何とも言えない。
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引退して静かな田舎に夫婦そろって住みはじめ、ハッピーな老後が始まるはずが・・・午後四時に決まって訪れる男。
隣家の夫婦関係や、お互いの行動がエスカレートしていく過程など、ぞっとする。 -
最後どうしてああなったのかいまいち分からなかった。この作者は話の広げ方はうまいけど、まとめるのが下手なんじゃないかと思う。
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主人公の一人語りで進む
途中、不可解で不愉快なことは伝わるけど。。
なんか、あまり。。 -
読み始めは面白かった。
主人公エミールは元高校のラテン語・ギリシャ語教師で、小学校時代の同級生ジュリエットと結婚して43年になる。定年退職後、誰からも干渉されずに妻と2人きりの生活を夢見て、森の一軒家に引っ越してくる。ある日、たった1件しかない隣家の男が挨拶に訪れ、翌日も、翌々日も、その後も午後4時になると押し掛けてきては無言で2時間を過ごしていく。
老夫婦の静かな生活は、この思いも寄らなかった人物によりジワジワと浸食されていく。そんな中、自身の中に思わぬ闇の部分を見つけてしまう。