本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163176802
感想・レビュー・書評
-
朝鮮からつれられてきた陶磁器職人たち(渡来人)の葬式に纏わる衝突(日本式との)を描いた作品。
初代は自分らは朝鮮人であるという自覚が強い。日本式の葬式とクニの葬式は全く違い、日本式でやることはクニでは不敬なことと見做され、逆もまた・・といった感じで、二重の葬儀を挙げることになる。
冠婚葬祭ってそれまで隠されていたものがあからさまに問題点として表出してくる。葬儀の様式だけではなく文化の衝突というか異文化の中で自分らはいかにして生きてきたか、何を殺して何を生かしたかという選択のお話として描かれていたように思う。
3代目(孫)の立場だとわれわれはこれからも日本で生きていく日本人だから婆の気持ちもわかるけど日本式にして欲しいという意見が強く出てきたり、折り合いの付きにくい気持ちを殺したり。
どんどん形だけのむなしいものになる日本式の葬式。
儀式はたんなる形式としか私は思ってないからこんなもんかな、とは思うけど、やはりしっかりと送り出したいという気持ちの強さが現れている婆のクニ式の葬儀はどこか滑稽だけど華やいで見えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009.01.20. 百年佳約の前作。百婆、ものすごく生きてます。婆とは思えぬほど強烈で力強く生きてます。こちらのテーマは、お葬式。本当に国(年代もか)が違うと、こんなにも違うのか。登場人物たちは、それぞれの思惑の中ですごく生きています。
著者プロフィール
村田喜代子の作品





