大友二階崩れ

  • 文藝春秋 (1998年8月1日発売)
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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163179308

感想・レビュー・書評

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  • ・『大友二階崩れ』
    :タイトル通り、「大友二階崩れ」に至るまでの宗麟(義鎮)のお話。
    刀術と馬術のエピソードとか、全体を通して宗麟が滅茶苦茶格好良いです。凛々しい宗麟はあはあ・・・たまらん。(・・・)
    十歳で城攻めの大将したい!と言い出して周りから止められて号泣する宗麟とかご褒美としか思えないんですけど。好きなんですけど。
    ラストで死んだ義鑑を北の方と塩市丸の亡骸の元へ抱えていく宗麟が切ない。
    似ているのに、どこまでいっても分かり合えない大友親子の最期がこれか・・・。
    あと腹黒い晴英が新鮮でした。希少価値だ。



    ・『城井一族の殉節』
    :宇都宮城井家の最期を描いた短編です。宇都宮家ってどっかで聞いた事あるなー・・・と思ってたらあれだ!長政をギャフンと言わせたひとたちだ!と読み進めるうちに思い出しました。(あんまりな覚え方)あと鎮房の奥さんが宗麟の妹かなんかだった気がします。
    鶴姫と小吉のやりとりにほんわかしたと思ったらあれよあれよという間に次々と悲劇が・・・。
    結局、九州討伐に貢献したにも関わらず、本領の安堵を拒否され鎮房は長政に、朝房は官兵衛に殺されることになります。その過程がまた・・・。
    秀吉の天下統一の影で、こうした名家が亡くなっていった一面もあるんだよね、としんみり。
    かんべがヒールです。かんべが勘解由って宇都宮の方々に呼ばれてて不覚にもときめきました。



    ・『影』
    :謙信の跡目争い「御館の乱」を景勝側から書いたお話。
    お猿さんと仲良しで戦怖い無理とか泣いちゃう景勝とそんな景勝に容赦ない(本当に容赦ない)与六くんこと直江兼続のギリギリの掛け合いにドキドキハラハラしました。もうやめて景勝のライフはry
    殴り合い噛み付き合い取っ組み合いな上杉主従が見れるのは『影』だけ!(・・・)
    上杉家関連に滅法疎い管理人でも十分楽しめました。面白い!



    宗麟目的で読み始めたのですが、どの短編も読み応えがあって良かったです。満足満足~。
    『影』読んで景勝兼続コンビが気になったので色々と読んでみようかと

  • 「城井一族の殉節」を収録

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著者プロフィール

(たかはし・なおき)1960~。東京都生まれ。1992年「尼子秘話」で第72回オール讀物新人賞を受賞。1994年、「悲刃」で第1回松本清張賞候補。1995年、上記作品収録の『闇の松明』が山本周五郎賞候補となる。1996年、「異形の寵児」が直木賞候補になり、1997年、同作及び「非命に斃る」収録の『鎌倉擾乱』で第5回中山義秀文学賞を受賞するなど、本格的な歴史作家として活躍している。著書に、『日輪を狙う者』、『山中鹿之助』、『大友二階崩れ』、『虚空伝説』、『異形武夫』、『湖賊の風』、『裏返しお旦那博徒』、『平将門 射止めよ、武者の天下』、『霊鬼頼朝』、『天皇の刺客』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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