ゲルマニウムの夜

著者 :
  • 文藝春秋
3.47
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本棚登録 : 470
レビュー : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163180700

作品紹介・あらすじ

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜と倫理のはざまで揺れる日々。目指すは、僕の王国-世紀末の虚無の中、「神の子」は暴走する。第119回芥川賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • とにかくえぐい。なんか触感とかニオイとかが伝わってくるような…
    キリスト教をテーマにしてるけど、肯定的というよりは否定的。生々しいので物凄く好き嫌いの分かれる文体だと思います。

  • 表紙がエグイ。
    内容もエグイ。

    嗚呼、でも読み進むのが少しも苦ではないのはどうして。

    伝えたいことだの、本質だのよりも。

    精液や糞尿や腐乱死体や、一切合切のものの匂いがしてきそう。
    活字と活字の間から。
    読んでいる自分の表情が歪むのがよくわかりました。

    読むのを休むために、本を閉じると表紙の異形と目が合う。
    と思ったら目がない。
    ぎゃー。

    痛い痛い痛い、やめてー、と心が叫びます。
    とても。

  • 結構キツかったです。ほぼエロ小説です。途中、残虐描写に吐気が込み上げてきました。芥川賞って残酷な描写をしたら獲れるんじゃないか、選考委員がそういう描写が真実だとか真理に迫るとか斬新だとか深いとか思っているんじゃなかろうか、と疑ってしまいます。

    レビューは良いものが多いし、作家の巧さも本質の伝えたい事もよく分かります。ただ、私は根本的にこういう描写を受け付けないので評価が低くなってしまいます。
    私は残虐描写という発想や想像がそもそも不必要だと思っているので耐えられませんでした。暴力的な残虐表現はこの世に必要ないと思うし、見たくないです。私は皆が人を思いやり、優しさの想像を持てば犯罪はなくなると信じているから、文学という名のもとにあっても(というか文学だからこそ)残虐描写を出来るだけ避けて欲しいと願います。汚い言葉が溢れたら、そういう世界になるような気がします。言葉の力は強大だから。

    半分くらい読んだ時点では、キリスト教、神の存在、人間の行為、命についてがテーマかと思ったのですが、3篇目はテーマが異なり、全体としての感想が難しいです。キリスト教の神の存在というテーマだったら青来有一さんの『人間のしわざ』を多くの人に読んで欲しいです。似たテーマでも主人公の年齢がこちらは熟年なので全く違う趣きです。『人間のしわざ』は、戦争という残虐な描写は少しありますが、胸が締め付けられるほど主人公の苦悩が伝わり、切なく、感動すら覚える素晴らしい作品です。

  • 宗教と罪、性、暴力、強烈に入ってくる部分は数日引きずる。
    精神的に疲弊するがそこが好きなのかも、花村先生の作品は。

  • 性行為と宗教が関連付けられてて面白い。
    性描写と暴力描写が多いがスカした描写でないので
    所謂いま氾濫している安っぽい描写と異なる。

    “反復することの快感”という旨の記述が記憶に残っている。

  • 読み始めてしばらくして、ちょっとバイオレンスな描写が多いことについていけず、一度本を置きました。
    けれど結局続きが気になって、また手に取ってしまう。
    「罪」を重ねる少年が、物語が終わるまでにどれだけ更生するのか見届けようじゃないか、という心持ちで。

    そうして最後まで読んだわけですが。
    ううーん、すごく考えさせられる。
    子どもたちにとっての楽園は、この世にちゃんと用意されているのだろうか、と疑問に思う。
    それを用意するのはもちろん大人の義務なのだけれど。
    悪いことが当たり前の環境(日常的に暴力を見たり、受けたり)で生きてきたのなら、悪いことをしてしまうのも当然の流れなんじゃないか。
    主人公も、関係を持つ修道女も、懐いてくる少年も、みんな一人で戦っているように見えた。頼れる大人が見つからなくて。罪を罪だと、大人に教えてもらえなくて。

  • 宗教観。
    破壊的。
    性的。

    刺激的ではあるが、痛みを感じてしまいますね。

  • 狙い澄ました悪趣味さ。狙いすぎっていうか。グロテスクなのって、男性より女性のが好きな方多いイメージがあります。
    この答えの出し方面白いな、みたいな文面も多々。劣悪な生活と宗教と性と青春(この本読み始めからずっと暗い青春だなーって感想が思いついて消えなかった!人殺しが主人公なのに)と、子供の有り余る攻撃性、上手に絡んでて、その中から出てくる答えがとても好みでした。
    ですが食べ物が不衛生(しかもグロい感じの描写がひたすら)なのはいやだ受け付けない。うっかり始めの方食事しながら読んでしまった、誰でもいいから末代まで禿げて欲しい
    僕らはゴミを食べて育った(だったかな)って一文が一番好き。グロいわりに淡々としてる中で、この文だけ他より攻撃的さを感じたというか。
    全体を通して、少年の暗い青春だなぁって。
    この著者を大好きだと公言する女の人とはあまりお近づきになりたくないです
    芥川賞だよねこれ?選んだ人末代まで禿げて欲しい
    あ、ちょっと文章が荒削りすぎ。ると思う。それが良さなのかな?
    後書きのナルシスト感酷い

  • 芥川賞受賞作としては割とクラシカルな作品。
    性と聖、神様、罪諸々。
    主人公の動きが何かを透過するようで、読んでいて楽しい。個人的に好きなので王国記も読んでみよう。

  • インパクトありすぎて食事中は読まないほうがいいかも。
    エログロ。
    日本国内の修道院ってところがミソ。
    この主人公は、どこまで人を試して許されるのか?
    いけ好かないやつだ。

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著者プロフィール

花村萬月(はなむら まんげつ)
1955年、東京生まれ。1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1998年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年、『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。

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