望潮

  • 文藝春秋 (1998年12月1日発売)
3.57
  • (2)
  • (4)
  • (8)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 7
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784163181806

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本整理してたらそういえば読んだなーと
    ささやかで恐ろしいイメージ、感想つけにくい

    追記
    もっと女の世界を知らないといけない

  • よどんだ水、濁った水、動かない水
    そんな湿度に満ちたどこか不思議な、日常と隣り合わせの世界

  • 6編を収録。
    「望潮」は手押車を押してひょろひょろと道路に漂い出てくる、身体が「つ」の字に曲がった老婆達の姿が印象的な作品。
    「屋根を葺く」は『屋根屋』の原話ともいえる話。
    「白鳥便所」は昭和三十年代、祖父の代から裕福ながら父親の脱税容疑で一転暗雲立ち込める少女の屋敷に、祖父の代に勤めていたという奇妙な老婆が現れる。『八幡炎炎記』にも出てきた羽毛を浮かべた汲み取り便所が、作品のカラーを決めるモチーフとしてユーモラスに描かれている。一寸奥行きが足りない感はあれど、村田さんらしさを楽しめる一作。
    「望潮」で元海女の老婆が、かつては亭主、子供、舅、姑を養って一人前の海女だったと語る。村田さんの作品にはそんな強く逞しく人生を生きてきた老女が度々登場する。

  • <a href=\"http://mediamarker.net/u/nonbe/?asin=4022643439\" target=\"_blank\">銭金について</a>で興味を持った。amazonマーケットプレイスで購入。最後の一冊だった。焦って買った。文庫にはなっていないようだし、マーケットプレイスでも送料込みで700+340=1040円だったので、お得だった。本来の価格は1762円也。さて、内容。買って大正解。薄気味の悪い系の話ばかりだが、文学している。こういう薄気味悪さは印象に残る。川端康成文学賞受賞作。短編が6つ収録されている。 * 望潮 「◎」 * 浮かぶ女 「◎」 * 白鳥便所 「○」 * 屋根を葺く 「◎」 * 水をくれえ 「○」 * 闇のウサギ

  • ゆらりぬらりと吸い込まれる七つの世界が、どうしようもないくらいずぶずぶと、どうしようもないくらい奥底まで、私の好きな世界と合致し大好きになってしまったのだった。何作かしか読んでいないけれども村田さんの小説には毎度ずぶすぶとやられる。それはすこんでもぽぽんでもなく、舐めるように、ゆっくり、ずぶずぶと。それは村田さんの描く人間が面白いから、なのかもしれない。

  • 『水をくれえ』が特に好き。滑稽と凄惨。

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村田喜代子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×