- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163182704
作品紹介・あらすじ
「買ってください、私を」。至純の恋心と肉の悲しみ。千桐は"娼婦"になった…人生を貫く極北の恋を描く衝撃の問題作。
感想・レビュー・書評
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05年2月。
高樹のぶ子さんって初めて読んだんだけど、女性らしい細やかな描写と小道具を配する作家なんですね。郷と千桐が結ばれる描写も仔細に渡っていて、男の自分が赤面してしまうほどだった。
相手に伝えたいことが、心に思っていることが、言葉でうまく相手に伝えられない。(遠慮ではなく、誤解を恐れてか)微妙なすれ違いが、やがてはお互いが半分半分に同化するまでになり、ラストへと向かっていく。このプロセスが切ないのかも。
ネタばれになっちゃうんで詳しくは書けないけど、生と性の選択に男の気持ちが現れています。
GとCが素敵ですよね。これ、なんだかわからないでしょう。読むとやってみたくなりますよ。
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25年の時を経て再開した中年男女の恋愛小説。再開した頃はお互いの気持ちを言葉で上手く伝えられないのにもどかしさを感じたけれど、逢瀬を重ね最後には相手の体が自分の体の一部に感じられるくらいに。「恋愛とは欠落感。その人がいない状態、いなくなった状態の、どうしようもない欠落感。」郷を亡くしてからの千桐、他人の目にどう映ろうとも、精神的に毀れていたとしても、幸せだったに違いない。性的表現にメタファーが用いられ詩的で良い感じだったけど、人物描写が少し物足りない気がした。私の読解力の問題なのかなぁ。
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大人の恋愛小説。
その人がいない状態、どうしようもない欠落感があるのが恋愛だという。
他のもので塞ぐことができない、だからかなしみの伴うものでもある。
秋の夜長に読むのがオススメかな。 -
『透光の樹』を読んで。
耳に注目だよね。ふふ。
ほんと、大人の恋愛話。
相手の事を自分のそれぞれの一部と想っていくんだよ。
秋吉久美子なんだよね。千桐役。
色っぽいというより。綺麗過ぎて冷たい女性。
生きる事に対しては、けなげ。はかない?
でも、実は???
何ていうんだろ?精神的な恋愛。
体だけではない変化していく恋愛。
孤高の位置まで恋愛を二人で作ってっていけた。
なぁんて。
もう一回読もうって。思ってる。