黄金色の祈り

  • 文藝春秋 (1999年3月25日発売)
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本 ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784163184005

感想・レビュー・書評

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  • 楽器盗難事件や殺人事件が発生しますが、事件よりも主人公の自意識の変化に焦点を置いているので、ミステリー的には消化不良です。
    しかし、心理描写は物凄く克明に描かれており、非常に強い力で引き込まれました。巻末に「これはフィクションです」と但し書きされていますが、全体を通してみると作者の自叙伝のように思えます。西澤保彦版「人間失格」みたいです。個人的には好きな作品です。

  • 2000年度本格ミステリベスト7位。あんまりミステリ感がなく、青春ものって感じ。この主役の僕が非常に鼻持ちならない奴で、みんなから信用されていないことにも気づかない、痛い奴なのだ。そんな人が主役なので、感情移入できないというか、まぁ若かりし頃はみんなこんなものかな、とも思ったり。しかし、いくらなんでも現実を見てなさすぎではないか。自分がやったことを一切忘れたような感じで進んでいくのも気に入らない。他人に責任転嫁していたから、自分がやったことが無意識下にあった、というていなのか。最後の終わり方も意味が分からない。結局教子さんはどうしたかったの?長かったのに、イマイチだったなー。

  • 2004.8.5

  • 語り手に同化すると、非常に居心地の悪い気持ちになる。自己分析して自己否定して欺瞞して陶酔してまた欺瞞。徹底的に解体しては、また逃げ場を作る。ラストはどうも、気に食わない。余り者同士で慰め合うのか、ていう。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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