女学生の友

  • 文藝春秋 (1999年9月14日発売)
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本 ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784163186504

感想・レビュー・書評

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  •  柳美里「女学生の友」、1999.9発行。長編「女学生の友」と短編「少年倶楽部」が収録。「女学生の友」では退職ドランカーの松村玄一郎65歳の物語。妻は病没、息子夫婦、孫娘と同居。高校生の梓に好かれてて、入浴中に全裸で入ってきて背中を洗ってもらったり。同級生の未菜にホテルに誘われたり。息子夫婦とはうまくいっていない。「少年倶楽部」は、小学6年生の少年たちの成人女性や性への関心を扱ったもの。

  • 「 詩 」のようだ。
    気持ちを言葉にできるってすごいことだ。

  • 何も要らないということ。
    価値がないということと必要とされることの意味。
    物事が起こることにも何の意味もないということ。
    それを乗り越えるのにも何も考えないということ。
    0で0に還るのだろう。

  • 女子高生ブームだった時代の、女子高生を描いた物語だ。
    なんか時代感を感じるというか、こんな社会だったっけ?と世代ギャップがある。
    なんともシュールな世界。

  • 老齢でも、小学生でも、高校生でも、父でも、母でも、すべての生きることの不器用な人たちの話。
    女学生の友の方が、面白かった。
    けど、最後はおじいちゃんがあっぱれ!な感じで終わって欲しかった。気が晴れない終わり方…。

  • まだ何かできる気力があるのにそれを使う機会(仕事)の無い老人。老人と対をなすように様々な事情を背負いながら投げやりな女子高生達。

    老人は自分のことを「おじいさん」と呼ぶ息子を憎み、女子高生達を使って息子に美人局的なことを行う。しかしその行為は虚しさを残しただけだった。
    思ったほど愉快でもないし、その後の生活はそのまま。

    老人は家庭の事情で金に困っている一人の女子高生に、足長おじさん的に援助することを思いつくが、女子高生は消えてしまう。


    すごくくっきり対照的に描かれた二人。
    余裕があり、女子高生を援助することで生きがいを見出そうとした老人。
    親の工場の倒産で、この先どうなっていくかわからないながら、援助を求めず消える女子高生。
    老いと若さ。

    なんだかとても残酷な物語の終わりのように思えた。
    やっと正当な生きがいを見出しかけた老人の手からこぼれた希望。
    やはり彼は今までと変わらぬ毎日を送ることになる。

    老い・・・誰もが通る道。
    少なくとも、自分はこういう老いの道は通りたくないと思った。
    今の自分の環境を恨むだけでは希望はこの手に留まらないのだなぁ・・・そんなことを考えた。

  • 初老の男性と女子高生の交流の話と、小学生のグループが痴漢を試みる話の2篇。

  • 「女学生の友」死へのカウントダウンを耳のそばで聴きながら独り生きてる。世界で起きている事件も事故も自分の世界には関係ない。ただ思うのは…自殺の事。唯一、孫娘だけには親愛の情を感じる。若い子達の波にのまれながら、生きている実感をかみ締める。人に必要とされる事。生きていくには必要とされる事が大きなところ。”自分の感情にすら、おいていかれた。この世と自分を繋ぐ最後の扉が消えてしまったのを感じた。”「少年倶楽部」欲望を知って自分を抑える事ができない。不安定な心と弱い意志。女の子のこと、友達のこと、親のこと、勉強のこと。すべてが心の中で揺れ動く。大切な時間が流れる中で何を感じて思うのだろう?消えた心を取り戻すことは出来ない。大人になって現実に、世界に、自分にぶつかった時、考えなくてはいけなくなった時。何を思うのだろう?

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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