リスクテイカー

  • 文藝春秋 (1999年10月25日発売)
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感想 : 8
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本 ・本 (360ページ) / ISBN・EAN: 9784163187501

感想・レビュー・書評

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  • ヘッジファンドとは、このような奴らのことかあ。
    ファイティングポーズを取らないと、
    気持ちの上でも負けてしまう。

  • 寝床本にしてたので読み終えるのに数ヶ月かかってしまった。よくできた小説。ロックにビート、為替市場、経済物理の応用的な話、1999年頃であればとてもタイムリーなヘッジファンドの話題、展開が楽しみで何回も借り直した。文庫が出てるみたいなのでそのうち買って読み直そう。著者の他の本もこれから読みたい。

  • マネーとはなにか?ほとんどのマネーはどこかの記憶媒体中に書き込まれている情報にすぎない。にもかかわらず人はマネーを溺愛し、同時に忌避する。カオス理論で武装したヘッジファンドのやりたい放題顛末記を描いた小説ですが、かなり哲学的です。


  • リスク・テイカー読みました。最近流行りの金融系の小説。
    主人公はコロンビア大学のMBA(経営学修士)を卒業した後
    天才物理学者のヤンと元ロッカーのジェイミーと組みヘッジファンドを立ち上げて
    お金に振り回されて、マネーとは何かを全体を通して問いかける本。

    文章が良いのかわからないけれど、トレードをしているときの
    臨場感が伝わってきて、登場人物の焦りはちょっとでもトレードをしたことある
    人なら共感できるのでは?と思います。

    本筋からずれるかもしれないけれど気に入ったのは
    三人のうち、ヤンは天才で、ジェイミーはギャンブルのセンスがあって
    主人公のケンジにはこれといった特殊能力はない。
    凡庸である事を自ら認識しつつ、マネーとは何かを問い続ける。
    でも、彼には戦う目的がない=人生の目標がない。
    すごく、主人公に共感してしまいました。
    この人はコロンビア大のMBAを取ってヘッジファンドに入るくらいだから
    レベルは違うのだろうと思うけれど。

    自分も多少なり、大学に入って、所詮は凡庸な人間である事を認識している。
    しているから、必死にあがこうと努力していて、もがき続けている。

    共感したのは人生の目標がないのも同じ。
    戦うべき敵がいない。

  • ヘッジ・ファンドをめぐるよく練られたサスペンス。著者のデビュー2作目。面白い。組織でなく学生上がりの3人を主人公に、ゲリラ的にマネー・ゲームに最後までぐいぐい読ませた。難点は語り手の視点が幾度か変わり散漫な場面がある点。一人称統一で骨太さが増したのでは。それとあまりにさくさく進んで物語舞台が拡大するゆえに、登場人物に軽みを感じてしまう。グリーンスパンFRB議長がまるで、銀行の経理責任者みたい。しかしエピローグにじっくりページを割き、広げた風呂敷を丁寧に畳むことで、重厚な読了感が得られた。

  • コロンビア大学ビジネススクールを卒業したケンジとジェイミーが物理学専攻の大学院生のヤンと一緒に金融市場を予測しヘッジファンドで稼ごうとする.
    そこで,出資者としてルイスという老人が現れるが,その老人が伝説のファンドマネージャーであり次第に3人はルイスの計画に巻き込まれることになる.

    色々な金融に関する事とか出てくるけど,きちんと説明されているのでわかりやすい.
    ただ,自分が金融についての知識を持っていたらもっと深く読めたのかも知れないと思う

  • 「お金」の本質について考えさせられる一冊。

    完成度は波の上の魔術師に匹敵すると思う。

  • 現代経済の教科書なんて文字に引かれて読み始めたのですが、やはり冒頭のヘッジファンドなの説明から飲み込めなくて、なかなか読み進めなかったのですが、後半のマネーを操るのかとマネーに操られるの部分からは一気に読み進み見ました

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著者プロフィール

川端 裕人(かわばた・ひろと):1964年兵庫県明石市生まれ、千葉県千葉市育ち。文筆家。東京大学教養学部卒業。『ドードーをめぐる堂々めぐり――正保四年に消えた絶滅鳥を追って』(岩波書店)、『10代の本棚――こんな本に出会いたい』(共著、岩波ジュニア新書)、『我々はなぜ我々だけなのか――アジアから消えた多様な「人類」たち』(講談社ブルーバックス、科学ジャーナリスト賞・講談社科学出版賞受賞)、『動物園から未来を変える――ニューヨーク・ブロンクス動物園の展示デザイン』(共著、亜紀書房)、『科学の最前線を切りひらく!』(筑摩書房)、小説に『ドードー鳥と孤独鳥』(国書刊行会、新田次郎文学賞受賞)、『川の名前』(ハヤカワ文庫)、『エピデミック』『銀河のワールドカップ』(集英社文庫)など多数。

「2025年 『新版 「色のふしぎ」と不思議な社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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