夜明けの雷鳴 医師高松凌雲

  • 文藝春秋 (2000年1月6日発売)
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本 ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163189000

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  • 一橋家の奥詰医師・高松凌雲の幕末、明治の激動の時代に「義と博愛の精神」を貫いた壮烈な生涯を描いた、吉村昭氏による感動のノンフィクション大作です。パリ万国博覧会(1867)への随行と貧民病院「神の館」での西洋医術の習得を経ての帰国、大政奉還後の箱館戦争(1869)で敵味方隔てなく治療に専念、貧民の無償診療と救護団体「同愛社」設立(1879)をとおして、徳川慶喜・昭武、渋沢栄一、榎本武揚などの歴史上の人物と交流を深くし、人道の精神を尊んだ医師・高松凌雲の誉れ高い生涯に敬服の念を抱かずにはいられません。

  • 箱館戦争において、箱館病院を開設した医師、高松凌雲。
    医者でも志を同じにした者ならとことんまで戦う。
    患者を官軍の手から守るために。
    官軍も賊軍も関係ない。
    ただ、傷つき病に倒れた者を救うために。
    そして、箱館戦争後は、博愛社という貧困者のための無料医師団を設立。
    正に医師の鑑。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:913.6||Y
    資料ID:50000011

  • 幕末から維新直後、箱館戦争に身を投じ、慶喜に恩義を持つものとして幕府に殉じ、幕軍の銃後の看護にあたる博愛と義の医師。箱館の病院に押しかけてくる官軍と身を張って傷病者を守る息詰る交渉。その中で幕府軍の兄の重傷と身贔屓をせず、患者の一人として、平等に扱い死に至らせる苦悩、兄の親族への責任。そして約40年後、明治45年に生涯を終える時の、甥たち、出会った官軍側の人たちのその後。それにしても官軍の強さは長いものに巻かれろ式の日本人の特性を現わしたもので、幕府側に立つことの勇気は大変なものだったようですね。

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著者プロフィール

一九二七(昭和二)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。五八年、短篇集『青い骨』を自費出版。六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。七三年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、七九年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、八四年『破獄』で読売文学賞を受賞。二〇〇六(平成一八)年没。そのほかの作品に『高熱隧道』『桜田門外ノ変』『黒船』『私の文学漂流』などがある。

「2021年 『花火 吉村昭後期短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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