シメール

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 167
レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163191805

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の印象が強くてこの本の世界は真っ白なイメージ

  • ミステリ的な驚きはなかったが、耽美で美しく、妖しい作品。天使のような双子の美少年と、彼を愛する芸術家の男。その関係が刹那的なようでいて、どんどん濃密になるのがたまらなく、目が離せなかった。

  • この雰囲気が大好きです。 

  • 14歳美少年に見せられた中年美大大学教授。
    美少年一家を家に住まわせ(一応家賃とるが格安)、寝室を美少年写真だらけにし、大学の研究室では美少年を描き。 別にゲイじゃないらしい。芸術家は美に敏感なのーってとこか?
    しかーし。結果的に、彼のせいで美少年一家は崩壊するのであった。
    美少年はシメール(幻獣)のままにしておきたいのであった。

    服部まゆみの本はもう1冊あるのだけど(「レオナルドのユダ」)、読むのしんどそうなので、ここで打ち止め。 こういう作家はもう出てこないのかな。

  • 「死んだら、俺はもう此処にはいない」と大切な人に言われたのを思い出した。
    ふわふわと掴めないまま、死んでしまったなら”消えること”なのかもしれない。
    最初から此処にいないのだとすれば、一緒にいた時間も何もかも幻だったのかもしれない。

    僕は死によって、大切な人が自分のものになるような気がしている。
    けれど、シメールの冒頭では、”死体という物が、こうも気を滅入らせるものとは思わなかった。”と書いてある。
    死とは居なくなること、消えることというのも翔の台詞にあった。(この光と闇でも書かれていた)

    僕にとっては、歓喜するような最後。なのに、この本からは虚しさばかりが強烈に残る。
    愛しいシメールだから、そのように愛したのに。従順だったのに。

    初めから此方を見てくれていたら、魔王などにはならなかったのだろうか。
    幻であるからこそ、惹かれたのではないのだろうか。

    分かっていたのに、どうして虚しくなるんだろう。
    これだけ愛し、惜しまずに想い続け、愛しいシメールに仕立てたのに。


    長い余韻に浸れそう。

  • その名の通り、幻想の物語。
    「この闇と光」にあったような、世界をまるまる覆すトリックも健在ですが、こちらはすこしパワーが弱いかも。それでも、聖と翔の対比は見事。
    話中にとあるフランス文学と谷崎潤一郎の類似点を挙げる箇所がありましたが、この作家、好きそうだよね谷崎潤一郎。繊細な幻想の淵にとぷりとはまって、眩暈がするようでした。

    ただ、ただ、終わり方がとても気に入らない。翔の考えのベースがドラクエVだと気づいたせいではないはず。ここまでの全ての伏線の結末としては、正直お粗末な雰囲気でした。残念。☆2.5。

  • 耽美に陥らないギリギリのところで面白い。

    私の好みの問題だけど、最後の最後でバランスを崩した感があり勿体無い。
    この作品の病に対する視点は、作家のその後を思うと、非常に考えさせられてしまう。

  • 気に入りました。入り組んだ感情がもっと深そうに感じ、まだまだ解釈できなかったことがありそうで、何度も読んじゃいました。一度目は理解できなかった。二度目はハッとして以外に好きなことに気づき、三度目はじっくり読んだ次第です。人格が分裂?と思わせたり、悪人か善人か?考えさせられたり、ほんとうに飽きさせないストーリーでした。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    男は、満開の桜の樹の下に「精霊」を見た―。幻を手に入れたいと希う一念が生み出す、果てしのない迷宮、それは人の心という闇の…。書下ろしゴシック・ロマン。

    幻想的で悲劇的。
    幻を幻たらしめるために、というのが凄い。
    作者の書く文章は好き嫌いが分かれそうですが、私は美文だと思います。
    完成度は「この闇と光」の方が高いのではないかと感じました。
    装丁も作品の雰囲気に合っていてとても綺麗。
    この本に限らず、この方の絶版本復刊を切望します。

  • うわーたんびー…
    これまで自分が考えてこなかった世界観.でも着眼点は嫌いじゃない.
    見せ方とか展開とかが計算されていて,総じて完成度が高くて楽しめた.
    「人はみなシメールを」っていう巻頭の言葉といい,服部まゆみさんはことばを大事に扱う人という印象.

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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