カカシの夏休み

  • 文藝春秋 (2000年5月11日発売)
3.37
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本棚登録 : 220
感想 : 35
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  • 本 ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163192000

感想・レビュー・書評

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  • とても面白かった。特にカカシの夏休みがおすすめ。

  • 2000年発売なので、今とは時代背景がことなるところがありました。3つの物語はそれぞれ独立していて、主人公を取り巻く環境は異なっています。

  • 登場人物が身近にいそうで、理解や共感がしやすい。だから人間関係の交わりも納得できて、気持ちを寄せやすく、引き込まれていく。
    カカシの夏休みのラストは爽快だった。

  • 中編3つ。

    「カカシの夏休み」受け持ちの5年生の男子が突然暴れ出すことに困惑する担任コンタ。彼の生まれ育った街は今はダムの底に沈んでいる。
    「ライオン先生」ライオンのたてがみのようなヘアスタイルがトレードマークの雄介。登校拒否をし始めた生徒を切り捨てることが出来ずに日々心を砕いていた。
    「未来」自殺をした同級生の最後の電話の相手だったみゆき。その家族に次なる悲劇が起こった。

    どれも深く考えさせられる話。
    表題作、コンタと息子翔太の活躍でカズが元気になり、父親との関係が良くなりそうな終わり方にホッとしました。
    「ライオン先生」はちょっと複雑。トイレで落とした時にはどうなることかとドキドキと気を揉みました。
    「未来」、姉弟の2人が赤堀くんのお通夜に行くシーンにグッときた。その後の弟の様子に、いい子だなとひと安心。

    少し昔の話だが、あまり古さを感じなかったです。
    携帯やスマホがないことだけは、あったら違ったかもを考えさせられました。

  • 「カカシの夏休み」
    幸せに暮らしているのでしょうか?
    なーんて、過去の彼女に
    そんな言葉、云えねー。
    ホントに、幸せって何?

    オトナは子どもの延長ってこと、かな。
    歳を重ねて、何か学び取っていく。
    それが多いか少ないかで、
    ひとは差異がでてくるのかな。

    一見、オトナも学び中!

    「ライオン先生」
    過去の栄光を引きずっても
    ホントに変わってないなら、別にいいんだけど。
    不幸な偶然が幸せを呼ぶときだってあるかもね。

    「未来」
    やはり、亡くなった同級生は
    今のこの空気を知らない。

    もったいねぇー!
    足掻いてやっていこー!

  • テンポがちょっと・・・
    だけど、納得できるよ
    いい話でした

  • 意外と面白かったよ。

  • 私がしあわせか?と聞かれたら、しあわせと答える。
    元気か?と聞かれたら、なんとか元気だよと答える。
    それでも、心の中に引っかかるものがある。
    漠然とした不安であったり、家庭や仕事のこと、みんな口にしないだけで、それぞれにきっとあるのだ。たぶん。
    この本に出てくる人はその引っかかりとの対峙をしているんだな、読んで思った。
    なので、読んでて精神的に負担度はあるのだけど、救いを見出せるお話なので、自分自身振り返り、読んだあとには気持ちが軽くなりました。

  • 『カカシの夏休み』、『ライオン先生』、『未来』の3編収録。
    どれも人の死と関係ある話。
    『カカシの夏休み』は、中学時代の同級生が37歳で亡くなる。22年ぶりに再会する友人。長い間会っていなくてもいろんなことがあった中学時代の友人となら時間は飛び越えられるものなのかも。
    『ライオン先生』、高校の教え子と結婚。22歳で奥さんを亡くし、娘と二人暮らしになる父親の話。ライオンのタテガミのようなカツラを身につけ若いころと変わらない自分をアピールしながら教師を続ける父を見るってどんな感じ。
    最終的には、素の自分を出せた父親がカッコイイ。
    『未来』、同級生の自殺。それだけでもショックなのに自分と関わりがあるとなると余計キツイな。
    弟も似たような目にあってしまうのが心苦しい。
    死んだら終わり、しぶとく生きてこそではないのか。

  • 重松清『カカシの夏休み』読了。3つの中編が収められた1冊。個人的には2編目の「ライオン先生」が好き。生徒とまっすぐに向き合っていた時のシンボルマークだったライオンのたてがみのような髪型。それが今はカツラになり、うまくかみ合わない熱意。カツラを取ったとき、果たして心はライオンか?

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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