- 本 ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163193106
感想・レビュー・書評
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物語の冒頭から、昭和の雰囲気を色濃く感じさせる。 夜の歌舞伎町、わたしも高校の時、なんどか奥に迷い込んで怖い想いをしたなー。
2000年に松本清張賞(そんな賞があったのか)を受賞したとのこと。
ホラーというほど怖くはなく、嫁姑問題といっても過ぎてしまったことなので、ドロドロという感じもない。
姑とうまくいかず、それが元で離婚した香苗は、娘の真穂を連れて、東京の大久保にある実家に戻った。実家は古く狭い集合住宅だ。
母は、孫の顔を見るのを心待ちにしているだろうと思っていた香苗は、その真穂の顔を見た瞬間の母の様子を不審に感じる。何故やっと孫と会えたのに、あんな気まずそうな顔をするのだろうと。
しばらくして早苗は、生活のために外に働きに出ることにした。すると隣人から「言い争う声を聞いた」「何かがぶつかる音がした」など物騒な話を聞く。早苗が働いている間、家では母と真穂の二人きりだ。そんな話を耳にしてしばらくして、真穂の体に何かにぶつけたような痣があるのを見つけてしまう。もしかして母は真穂に暴力をふるっているのではないだろうか。
真相は時を超えて、遥か昔まで遡る。
この小説の輪廻というタイトルの意味、そしてその昔、母親にはいったい何がおこったのか。
ホラーっぽくもあり、ミステリーの要素もあり、小難しいことは考えずにただただ面白く読めた。
生まれ変わりなのか、はたまた憑依なのか、それともそれ以外の何かなのか、実際のところはよく分からないけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
松本清張賞(2000/7回)
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2015年6月6日
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面白くて一気読みした 怨念と復讐が凄かった
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田舎と大久保を舞台に繰り広げられるサスペンスもの。母の生き方を否定しているものの結局は全く同じ生き方しかできない自分に気づく。よくできたストーリー。
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私はホラーは基本的に読まないのですが、ホラーも結構、おもしろいもんですね。
累という怪談が元になっているタイトルのとおりの生まれ変わりの話です。
ホラーですが序盤はそんな感じも全くなく、家庭問題に悩むバツ1の話になっています。
が、段々と怪しくなってきます。
読んでいてあまり気持ちの良いものではなかったです。 -
輪廻転生
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この作品から、明野さんの世界にすっかりはまりました。
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