- Amazon.co.jp ・本 (165ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163194301
作品紹介・あらすじ
ちょっぴり怖くて、あたたかい。見知らぬ人が懐かしい。ここは生者と死者が出会う場所。
感想・レビュー・書評
-
間違った電車に乗り着いてしまった終点の町。その不思議な雰囲気に定住してしまった画家の主人公。
一昔前が舞台か(百円札が出てくるし…)温かい人々、温かい空気、自然、何もかもが心地よかった。素朴な町で少し不思議な体験もし、身も心も癒されていく。
人々が普通に助け合い、生も死も普通の事と受け入れる。古き良き日本の姿。今もこんな場所あるんだろうか。自分の中にある日本人の根本みたいな物が、体験したことのないはずの昔の生活に対し懐かしさでいっぱいになる感じ。
小学生のチサノちゃんが大人びた(どちらかというと、おばあちゃんっぽい)口調で訥々と人生を語ったりするのが愛おしく微笑ましい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大事な、でも、もう会うことのできない人に会うことができるとしたら・・・。
個性的な人々が暮らす村にさまよいこんだ主人公「ぼく」。村での日々が遠い日の悲しみをゆっくり癒してくれる。
居候先の弁のたつ小学生「チサノ」にも注目です。 -
ほんわかとしたかわいい一冊でした。挿絵がすごく好き。グラフタヌンとつぶやくオカメインコの大ファンです。
-
少し切ないファンタジーと言ったところでしょうか・・・
何か懐かしいモノや切ない感じを思い出させる話。
急がず騒がずのんびりと流れる日常。
こんな所があるなら住んでみたいですが、こんな所に住もうと思ったら
現状全てを捨てないと住めないんだろうな・・・ -
読書相談室で「異界と現実との境目がはっきりしない」本として紹介されていたので、オール讀物連載時に読んでいたのですが、再読してみました。で、§^。^§ §^。^§実にいいです。単行本で一気に読めたせいか、連載時とはかなり違った印象をもちました。主人公の画家が汽車を乗り違えて着いてしまった山の中の村。実際に存在するのかどうかさえ曖昧な書き方なのですが、どこか懐かしい感じのその村にそのまま住むことになり、穏やかな毎日ながら、不思議なことが次々に起こります。下宿しているお宅の孫娘チサノの妙に世慣れた台詞がおかしいような、せつないような。「一度ゆっくり楽がしてみたいけど、手間をいとってちゃ女はやっていけない」なんて言うんですよ。なんて小学生だ、と思いながら、その場の空気にしっくりなじんだりしてね。安井寿磨子さんの絵がまたいい味わいを物語に付け加えてくれて、気持ちのいい夢の中にいるような、ゆったりした気分にさせてくれます。芦原すなおさんは、「青春デンデケデケデケ」が最高だと思っていたのですが、全く違った作風のこの作品もいい!優しさ溢れる異界のお話、大事な一冊になりました。
-
オカメインコが好きなので思わず手に取ってしまいました。