- 本 ・本 (656ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163194707
感想・レビュー・書評
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■文庫版だと全五巻、総ページ数2,500ページにも及ぶ大作。400字詰め原稿用紙だと3,800枚くらいか。
■当然その分、いろんなことが書かれている。ストーリー然り、人物描写然り、会話文然り。
■そんな中で、この作者の特徴でもあるのだが、アメリカのサブカルチャーに関する言及がひっきりなしに出てくる。商品名だとか、流行歌だとか、映画やテレビや本の内容だとかが。
■作者の意図は、そうすることによってフィクションの世界に現実味を持たせること。しかしハリウッド映画好きでロック好きのぼくが読んでても、聞いたこともないような言葉がわんさか出てくる。結果、いちいち「それ何のこと?」「これどういうニュアンス?」てなぐあいになって物語に没入できなくなる。つまりぼくにとっては作者の意図なんてまったくの逆効果で、そんなサブカルのアイテムズは邪魔でしかないのだ。
■ひっきりなしに出てくるといえば他に聖書のこと。フリーゾーンの人間たちは、自らの行いを正当化し未来に対して希望を持とうとするために、聖書の言葉を引用しては自分たちを鼓舞しようとする。
また”闇の男”に対比される善の象徴マザー・アビゲイルの設定は、敬虔なバプテスト派クリスチャンであると明記されている。
物語のテーマはアメリカを舞台にした善と悪との対決。だから作者はそれに説得力を持たせるにキリスト教を持ちこんだのだろう、それはわかる。だがこれも、宗教など縁のないぼくからしたら全くもって逆効果、興ざめで鼻白んじゃうのだ。
■………だって99パーセントの人類が死に絶えても、生き残りにムスリムはひとりもいないんかいって! その頃太平洋をはさんだ日本では、八百万の神と閻魔様が対決してるんかいって! オオカミやイタチは悪魔の手先、イヌは人間の友だち、ウサギやシカは中立なんかいって!
■まぁ、善と悪、こんな単純な二元論を堂々とテーマにして、それでこんだけの分量書ききったのは、ある意味すごいとは思うけど。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
時間はかかったがその分の読み応えは抜群。ちょっと肩透かし感はあったけれども。
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おもしろい。最後の結末が以外だった。細菌テロではなく、悪魔との戦いの話です。ランドル・フラッグはきっとダサい恰好だろうな。
トムカレンが人気な理由も、実際読んでわかった。彼のキャラはいいね。 -
これだけ長いのに、最後までちょっとも飽きずにおもしろくすらすら読めたのにびっくりした。
致命的な疫病が発生し、生き残ったわずかな人類が正義と悪の陣営にわかれて・・・。とてもおもしろかった。 -
私には思ってもみなかった展開。それだからいいのかも。
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上巻 (790 ページ) 、下巻 (635 ページ) 合わせて
1,425 ページの圧倒的な大長編。
以前に出版された「ザ・スタンド」で削除された
400 ページほどが復元された、完全無削除版。
読み終えるのに、一ヵ月程掛ってしまいました。
所謂、終末ものに分類されるSFホラーファンタジー(?)。
キングは、本当にお話を創るのが巧い!
多くの登場人物それぞれのエピソード・バックグラウンドが、細かく描写され、
グイグイ引き込まれる。
久しぶりにキングの作品を読んだが、偉大な作家だと再認識。
文句なしの五つ星です。
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