- 本 ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163197401
感想・レビュー・書評
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あんたたちの考えはいつだってそうだ。楽をしている専業主婦連中の分までたくさん税金を払っているんだから、自治会の総会に出たり、ゴミ出しの汚れを掃除したり、そんあくだらないことはやっていられない。あんたらは、インテリの共稼ぎ夫婦という名前の特権階級で、それはつまり新しい形の寄生虫なんだよ、この社会のな。--マンションという「社会」の中で孤立するエリートの共働き夫婦。彼らを次々と襲う災厄。日常にひそむ恐怖を描くミステリー。
イラストレーション / 中島 美弥
デザイン / 大久保 明子詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間って結局独りでは生きていけない、生きることを許されないんだろう。社会というものを形成してしまった以上は。
人間の本質って根本的に怖ろしいものだと思う。だから、それをテーマにあげた物語は、もう本能的に後味が悪い。現実に照らし合わせたら、どうにもならないことだから。
実際、雄大みたいに気づくことが、本人の幸せに結びつくともかぎらないだろうし。 -
途中まではおもしろかったですが、、
オチがイマイチでした。 -
勢力争いに敗れ、会社をやめた雄大。妻に突然「主夫になってください」といわれてしまった。
再読。
マンションという世界、さまざまな事象が交錯。後半の怒濤の展開がすごい。
普通の生活をしているひとが一番えらい、という言葉を想い出した。 -
DINKS夫婦の落とし穴サスペンスひゅーまんドラマ…かな…。
自分も反省すること色々。外で仕事してりゃそれでいーとかそーゆー傲慢さへのアンチテーゼに。
それにしても柴田てんてーの書かれる女の人はみんなリアルで面白くて怖い。平凡って何?って思う。 -
アットホームダッド的な展開かと思いきや
誘拐事件が発生。動機がまたそれでいいのかって感じがしてしまう。
ご近所づきあいも立派な社会。
わかってはいるけどお隣の顔もよく知らないなぁ。 -
読み始めた辺りはとても面白かったのに後半に差し掛かった辺りから何となく気持ちが現実に戻ってきました。全体的には面白いですよ。でも犯罪の心理がどうにも頷けないのです。私が動物に対する愛情を持っていないことも原因なのかもしれませんが、こんなことを計画するかな?って思ってしまったのです。犯罪自体はともかく、雄大が家事をやってみることや主婦に対する偏見がなくなったことは見ていて痛快でした。私も近所付き合いは苦手だし、非常識だなと感じる人と遭遇することはありますが、それを解決するよりも愚痴ってばかりなので雄大が嫌悪感を持つ気持ちも理解できます。ゴミ出しをちゃんとやってくれない人はどこでもいるんですね。私も以前自分の家のゴミではないのに掃除当番だったので片付けなくてはいけなくて、家へ持ち帰ったことがありますから。
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人間いったい何が原因で恨まれるかわからないね。怖い怖い。だけど人間を動かすものって、所詮はこんなちっぽけな「悪意」なのかもしれない。きっかけはほんの些細な逆恨みとか勘違いとかで。「自分が恨まれてる」ってのに気付けないのが、たぶん一番怖い。
今までマンション暮らしってしたことないけど。これ読むとなんだか怖くなった(笑)。 -
やっと完読。
『人間のライフスタイルは小さなこと、足下にあるようなもので成り立っている話』です。
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