片想い

  • 文藝春秋 (2001年3月28日発売)
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本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784163198804

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの「片想い」からは予想もしていなかったジェンダー問題をメインに扱った作品です。

    LGBTQ、性の多様性
    これらを少しずつ認識しようという動きがある現代にも、声に出せずに悩み苦しんでいる方が大勢いる事を、本書を読んで改めて考えさせられました。

    東野圭吾さんが本作で訴えたかった事…
    今から20年以上前の作品にも関わらず、強烈なまでに心に響く作品でした。


    以下、本作より

    ・性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会のほうなんです。

    ・人間は未知のものをおそれます。恐れて、排除しようとする。

    ・男と女はメビウスの帯の上にいる。多くの人間は自分がメビウスの帯の上に気づかず、片想いを続けている。

  • 「私は性同一性障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは、少数派を排除しようとする社会の方なんです」

    性同一性障害に悩み、男らしさ/女らしさという社会通念に辟易している当事者の、しがらみを絶ち、自由に選び取った姿でさえ、そのらしさにひどく縛られたものであるという皮肉。それほどまでに、意識を変えるということは難しい。
    この作品が出た2001年から23年余り。国籍、体格、障害の有無など見た目にわかる表層的な違いはもちろん、性的指向、性自認、価値観、性質、性格などの内面的な違いまで、さまざまな違いを知り、受け入れて共存していこう、という多様性社会の考え方も浸透しているけれど。
    誰もが、「この心で、この体を持っている、それが自分自身だと信じているからです。何も変える必要はない」と思え、それを当然として周囲が受け入れるようになるまでに、あとどれぐらいかかるだろう。

  • 主人公がさえない脳筋男、とにかくダメなやつ。いい年なのにQBとか呼ばれている。友人を助けたいとか言っているけど、友人だったらすきなようにさせてやれよと思うことでも、自己満足のために土足であらし回るやつ。あと味悪い。話は面白そうなのに全体的に苦手なキャラが多くて引き込まれなかった。

  • 帝都大アメフト部のOB西脇哲朗は、十年ぶりにかつての女子マネージャー日浦美月に再会し、ある「秘密」を告白される。あの頃の未来にいるはずの自分たちは、変わってしまったのだろうか。過ぎ去った青春の日々を裏切るまいとする仲間たちを描く傑作ミステリー。
    (2001年)

  • 性同一障害がテーマ
    難しいと感じるけど結構身近にあると思う
    メビウスの帯に例えるのが素敵

  • ジェンダーの問題と戸籍の入れ替わりを絡めたミステリー、性同一性障害と言っても体と性が合致しないと言った単純な問題でない場合もあるということ、また男と女とはメビウスの輪に存在すると言う解釈は中々なものだと思う。WOWOWでドラマ化され中谷美紀が美月役らしく、不思議なセクシャルな魅力が出せるかが楽しみだ。小出恵介みたいに事件を起こして放送中止にしないでくれよ。

  • アメフトチームの仲間を中心に、ミステリー要素あり、ラブストーリー、ジェンダー問題をテーマにした物語。上手くいかないことばかりで傷つく。読み応えありの長編作。

  • 長いけれど結末が気になって2日で読んだ。いまいち後味は悪い

  • 性同一性障害をテーマに、熱き友情の物語。

    好きって言う気持ちがあれば、男も女も関係ないんじゃないかな。

  • WOWOWはかなり良かったです。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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