ぬかるんでから

著者 :
  • 文藝春秋
3.52
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本棚登録 : 67
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163200507

感想・レビュー・書評

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  • 現実から離れた奇妙な話ばかりなのに、小市民の悲哀を感じる短編集。ちいさくちいさく暮らしてるのに否応なく不条理な目にあわされる。主人公が、背中を丸めて目立たないようにしている感じがものがなしい。されるがままだし。

    動物がからむと奇想が一段階突き抜けて感じられ、「とかげまいり」、「やもりのかば」、「きりぎりす」の三篇が良かった。特に「きりぎりす」のナンセンスな美と暴力は鮮烈。

  • かなりシュールな短編集です。どの物語も不条理な世界に放り出され、飲み込まれそうな何かから手足を引き抜き引き抜き、のたうちながら読み進む快感。そういうのが好きな人にはたまらない本です。「とかげまいり」とか「記念樹」なんて泣きそう。

  • 2001-05-00

  • 途中までで返却期限きて返してしまった、、、
    伊坂さんがエッセイでよくこの人の本のことを書いていて、それで伊坂さんが褒めるならきっとわたしの好きな方向とか思って。
    衝撃的!
    とても面白かった、、、
    この感性はやばいわ。ツボだ。
    でも後味の悪さとか、うわぁ、ってなる感覚もやばいわ。
    この一筋縄でいかないどころか全く読めなささ、だいすき。
    うん、そうか、って、とりあえず頷く感じ笑
    とりあえず妻が常にやばいのはなんなんだろう笑
    女性観?笑
    今読んでる本終わったら、もう一度借りて読もう。

  • 非日常的なストーリーというのは嫌いじゃないんだけどどうもすっきりしない。ちょっと好みではなかったかな。

  • 短編集。
    最初と最後の作品にやられた。

  • 伊坂幸太郎さんのエッセイに紹介されてたので読む。
    荒唐無稽、突然よくわからない事態から始まり理由も説明もないまま話はどんどん進んで終わるシュールな短編集。先が気になる。どう反応したらいいのか難しい。夢を見ているようだ。きりぎりすはなぜか怖いのに何度も読み返した。春の訪れ、やもりのかば、祖父帰る、つぼ、夏の軍隊が良かった。こんなにシュールだけど、おかしいところと、悲しみがちゃんとある。

  • 言い回しにたまに笑えるけど、全体的に納得がいかない!シュール過ぎるわ。
    でも、佐藤さんは長編より短編の方がさらっと読めてしんどくないかも。
     
    全ての話がすごく短いし、え?えっ?て困惑しているうちに終わる。

  • 「ぬかるんでから」佐藤哲也
    非日常「愛妻」短編集。まさに泥色。

    不条理な世界、支離滅裂な展開、そこに一貫して存在する夫と妻のつながり。なんだ、これは!?
    決して愛が主題ではないと思います。全ての短編におかしな夫婦が登場するわけではありませんし、全ての短編が言いようのない圧力に満ちているのは間違いない。
    この人の頭の中はどうなってるんでしょうか。好きだけど。
    2編がSF誌、他は全て小説すばるに掲載の13篇からなります。

    この感触は・・・、読んでもらわないと伝えられませんな。
    これが初読でしたが、佐藤哲也さん、自分の中では以後チェックです。
    ちなみに装画は大友克洋さんです。(3)

  • 非常にふしぎな世界観を漂わせている本。
    日常に突然現れるふしぎな光景と、そこに渦巻く恐怖がホラーとは違う感覚で描写されている。

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著者プロフィール

宮城教育大学教職教育総合学域発達教育部門 教授
主著『子ども観のグローバル・ヒストリー』(編著)原書房 2018年
  『子どもの心によりそう保育・教育課程論〔改訂版〕』(編者)福村出版 2018年
  『世界子ども学大事典』(共訳)原書房 2016年

「2021年 『「10の姿」をこえる保育実践のために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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