やきそば三国志

  • 文藝春秋 (2001年7月24日発売)
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感想 : 4
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  • 本 ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163202105

感想・レビュー・書評

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  • 挑戦すれば、いつか変えることができる。

    チルドやきそばでスーパーの棚を争う3社の物語だ。
    目玉商品として安売りの対象となる3食パックの焼きそば。
    そこには価格競争しかないと思われていた。
    食でありながら、味は求められていない。
    関係者たちがそう思い込んでいた。
    しかし、挑戦し続ければ、いつか新しい市場は開拓される。
    本物への戦いは、その情熱は止めなければいつか変わっていく。

    大冊だ。泥臭い物語だ。
    しかし、読み進めてしまうのは
    日常の繰り返しの中に、ポトンと落とされた思いが
    揺り戻されながら、少しずつ新たな地平を垣間見る。
    その醍醐味が魅力的だからだ。
    地味だが、コツコツと行う。
    その根底には、本物への情熱がある。
    そうした情熱がいつか変えていく。
    大げさに言えば、人類の歴史とは
    そうしたトライアンドエラーの積み重ねなのだ。

    例えば、アサヒビールのスーパードライ。
    当時、ビールは味を変えても売れないとされていた。
    しかし、今やスーパードライはトップシェアだ。

    常識は頑固な岩かもしれない。
    しかし、その岩もいつしか、変わっていく。
    それを描くためには、この厚さが必要だったのだ。

  • 企業小説として、面白かったです。
    今回の話は、よくスーパーで売っているチルドの3食入り焼きそばを、舞台にしています。
    他社の商品をつぶすためだけの、猿まね商品の開発。
    開発者としては、非常に屈辱的な話ですよね。
    個人的には納得できなくても、会社の命令とあればやらざるをえない。
    以前、自分がサラリーマンとして働いていた会社でも、似たようなことがありました。
    その時は、結局うまくいかなかったし、社員の士気やモラルを下げただけだったような気がします。
    じゃあ、経営者が悪いのかというと、経営者には経営者の苦労があるでしょうしね。
    会社というところには、社長も含めて、様々な従業員のドラマが集まっている場所というのをこの本を読んで感じました。

  • 3袋入りやきそばのマーケティング

  • 200412 現実を想像させるような設定で面白い。ビジネス的な部分だけでなく、焼きそばのルーツをたどるような部分もよし。

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