あかね空

  • 文藝春秋 (2001年10月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163204307

みんなの感想まとめ

江戸の下町を舞台に、家族や人々の絆を描いた物語が展開されます。登場人物たちの温かい人情や助け合いの中に、時には衝突やすれ違いが生じ、家庭内の不協和音が切なさを呼び起こします。特に、豆腐屋一家の親子の関...

感想・レビュー・書評

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  • 初、山本一力さん作品です。

    江戸市井に生きる人々の暮らしぶりを描いた、下町人情物語。
    ただ温かく優しいだけでなく、家族ひとりひとりの言い分があったうえでの衝突や擦れ違い。
    そういう切ない事象も丁寧に描かれていて、それがこの作品に深みを与えているのだと思います。
    あんなに睦まじかった永吉とおふみの歯車がズレはじめ、子どもたちも敏感にそれを察する。家庭のなかで生まれる不協和音は、読んでいて切なくなりました。

    だけれど、禍福はあざなえる縄の如し。
    決していいことばかりじゃない人生だけれど、人々とのつながり、家族の絆があれば、なんとかなるのじゃないかな、という希望が感じられる結び方でした。

  • さすがは直木賞作品だけあって面白かったですね!しかも私の地元東京下町が舞台とあって、土地勘があって、かなり身近に感じる内容の作品でした。
    登場人物設定が良く、いろいろな軋轢のあった豆腐屋親子が下町人情や義理にふれながら、なかなか通い合えなかった絆が最後には、まわりの支えもあって、しっかり結び付くという感動物語でした!
    まさに下町の粋な話で、すっかり山本一力ワールドに、はまりましたね!これから山本一力作品を読破していきたいと思う今日この頃です。

  • これまた再読。
    初読の時にレビューを書いていなかったのがとても不思議なくらい、いい作品だ。

    この作品は私の大好きな江戸人情モノ、しかも直木賞受賞作。
    楽しく読めた。
    豆腐職人の永吉と、その子供達の二世代に渡る下町人情物だ。

    話は永吉が京の豆腐屋から江戸へ来たところから始まる。
    永吉の豆腐は当然、京風の柔らかい絹ごし豆腐。
    でも、江戸では固い木綿豆腐が主流である。

    現代でも、地方によって食べている物は全然違う。
    それが江戸時代とあっては、異国の食べ物というくらい違っただろうな〜
    と思いつつ、永吉のお豆腐は美味しそうだ。

    永吉と妻おふみの努力で、豆腐屋・『京や』は大きくなっていく。
    この過程は「こつこつと努力」と「下町の人情に助けられ」で
    江戸人情物の醍醐味だと思う。
    「世の中そんなに甘くないっ!」と思う人は読まない方がいいでしょう。
    江戸人情物を読むっていうのは、人の甘さを楽しむモノだと思うし。

    しかし、永吉とおふみの間に子供が三人出来てから家族の様子がどんどんおかしくなる。
    永吉とおふみの感情のすれ違い。
    長じて生じる、歪んでしまった子供達の関係。

    この辺は読んでいて切なく腹立たしく、歯痒いけれど、気になって気になってラストまで
    一気に読んでしまう。

    登場人物の書き込みが深くて、不器用な永吉と悟郎にヤキモキしたり、
    おふみと栄太郎にイライラさせられたり。
    私は嘉次郎という粋でイナセな豆腐売りが凄く好きで、いい役どころだなぁと感心する。

    京やを逆恨みのように憎む平田屋が本当に絵に書いたような悪役で、
    こんな分かりやすい憎たらしさっていうのは現代小説だとワザとらしいんだけど、
    江戸時代だと不思議と違和感が無い。

    最後の「ぎゃふん!」は小気味良く、家族の繋がりを取り返した一家、と
    読後感がいい。


    山本一力さんの作品はこれしか読んでいないけれど、
    江戸人情物をこれだけ書けるのだなと、
    他の作品を色々読んでいくのが楽しみだ 。

  • ちょっと前の直木賞受賞作。

    江戸深川の豆腐屋一家の物語です。江戸の市井の人たちの人情、助け合い、心意気、いろんなものが詰まってます。
    ただただ温かいだけではなくて、家族のなかでの衝突や揉め事もたくさんあり、読んでいて辛くもなるのですが、最後の最後には家族の力は偉大だなあと感動させられます。
    最後に出てくる親方、かっこいいです。

    なかなか甘くはない人生、理不尽なこと、苦しいこともあるだろうけど、家族が力を寄せ合って結束すればたいていのことは乗り越えられる、そう信じられるようなとてもいい小説でした。

    お豆腐、食べたくなります。

  • 家族のあり方と地域の人々との人情。相手の気持ちを知らないまま怒ったり恨んだりする切なさを知る。「身内の中が脆けりゃあ、ひとたまりもねえぜ」という台詞が沁みる。

  • 山本一力さんの大賞本。初めてよみました。

  • 過去読了。

  • 山本一力著「あかね空」
    さすが芥川賞作品 「四重の五重のと重箱みたいに、ただ歳を重ねてきたわけじゃない」なんてリズム抜群の粋な口上。「風は、お愛想がわりに軒先の風鈴を鳴らして過ぎ去った」との季節感溢れる情景描写。およそ想像もつかないほど複雑で屈折した人間の本心を随所に散りばめ、最後のどんでん返しで読者を安心させる展開に、清々しい読後感を得ることができる。

  • 江戸時代のお豆腐屋さんの話。朝ドラを見てるかのような展開で面白かったです。いろんな人の視線で書かれていて、人の考えというものは他人からはなかなかわからないものだなーとよくわかりました。

  • 山本一力さんの作品を初めて読みました。江戸の人情物語。時代小説が好きな人にはさっぱりと読める作品。
    京で豆腐作りの修業をした若者が、独り立ちを決意し、江戸の町で店を出す。長屋の娘と所帯を持ち、家族が増え、様々な思いを抱えて成長する子供たち。

  • 江戸時代の豆腐屋物語り
    京風豆腐はどんな味か食べてみたい。木綿と絹豆腐の違いか?

  • 永吉の起業から死ぬまでがけっこう速い展開で書かれているのだが、自分の一生も客観的に見たらこんなんなんだよなあ、と虚無感に襲われる。
    そして、この家族同士のすれ違い、身に覚えがあるなあ。本では政五郎のように父母の思いを代弁してくれる人が出てきたけど、現実にはそんなことはまずない・・・家族って幻想なのかも。

  • ☆3つ

    これまた先に読んだ西加奈子の直木賞『サラバ』や引いては『楡家の人びと』(・・も直木賞だったか? 調べればすぐ済む事なれど面倒なのですまぬ)の様な親子二代に渡る人情人生ドラマの江戸時代編である。

    舞台は江戸時代の隅田川(当時はどうやら大川と云ったらしい)の近辺。木場とか深川あたりですね。たぶん。

    前半はとても面白い展開でした。ところが中盤を過ぎた辺りからどうも話の焦点が視えなくなっちまった。あっちへふらふら、こっちへとぼとぼと。何処を目指して書いているのかちっとも分からないその場しのぎ。終わってみると。

    まあ、これが実際のところの「直木賞」の正体でしょう。

    ところでわたしの生まれ故郷は四国徳島阿波池田。幼少の頃は絹ごし豆腐というものはたしかお店には売ってなかったと思います。
    豆腐は関東が木綿で関西が絹ごし、だとは思えませんので、きっと絹ごし豆腐というのは京都が発症の地でその後ゆっくりと全国に広がっていったのだと思います。いや、この『あかね空』を読んだ結果そうかなぁと思っただけなのですが。すまぬ。

  • 夜更かしをして一気に読みすすめるほど、面白かった。

  • 京から江戸に下った豆腐職人・永吉一家二代の有為転変に、かけがえのない家族の絆を描く

  • 前に読んだことのある本だった(笑)
    こんなこと久しぶり…
    でも、何回読んでも面白いことが分かった
    良いお話でした

  • 請求番号:913.6/Yam

  • 昔の人って、あっけなく亡くなったんだろうな。
    だからこそ人情があり、助け合ってつないでいくんだ。

  • 豆腐屋の話し

  • 江戸の下町に京から来た若い豆腐職人・永吉が長屋の桶屋の娘おふみと出会い、京味の豆腐屋を成功させていくという前半部分は夢があって楽しいのですが、後半、二人の間に長男・栄太郎、次男・悟郎、長女おきみの3人が生まれてからの物語はあまりにも悲しく後味が悪かったです。なぜ著者はこのような展開にしたのかと不思議でしたし、先を急いでいるようにも思います。
    主人公の若いときから、子供たちの世代まで、長編の大河小説というべきものですが、尻つぼみの印象はあります。おふみの両親源治とおみつ、豆腐職人嘉次郎、相州屋の清兵衛とおしの夫妻、江戸屋のおかみ秀弥など、鳶の親方・政五郎など周辺の人たちが大変魅力的でした。

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著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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