アメリカン・デス・トリップ 下

  • 文藝春秋 (2001年9月10日発売)
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本 ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784163204406

感想・レビュー・書評

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  • ウェイン、ウォード、ピートの3人の語りを中心に、FBIの報告書、新聞の見出しが挿入される。その3人に取り巻く男、女、白人、黒人、ジャンキー、警察、FBI、南ベトナム兵士、ベトコン、etc。

  • JFK暗殺直後から、キング牧師、RFK暗殺までを描くアンダーワールド三部作の第二弾。

    前作の流れをそのまま引き継いでいるので、順番通りに読むのが望ましい。エルロイの特徴である電報調の文体は相変わらずで、現実と虚構の境目ははっきりせず、人物・事件・思想・謀略がごった混ぜになって、荒波のごとく押し寄せてくる迫力は前作以上。

    異なる背景、異なる憎しみ、異なる目的を持った三人の男が主人公。物語は場所と日時で区切られており、彼ら三通りの視点で進んで行く。この三人の結びつきが核で、そこに三人の女性がいい具合に絡んでくる。この男女間のつかず離れずの関係が興味深く、女性が全員かっこいいので、唯一の情を感じられるこれらのシーンが特に印象に残った。

    今回は、歴史のうねりにどう巻き込まれたかというよりも、人物それぞれの葛藤や距離感に重きが置かれているように思える。HATE SMART.“利口に憎め”──人を突き動かすのは憎しみであるという主張が随所に見受けられる。キングからRFK暗殺へと続いていく一連の流れも、憎しみを軸にして見ると悲しいかな判りやすいのだ。

    ヴェトナムが舞台に加わったことで、作品全体が更にワイドになっている。下巻に入ってからの方がさくさく進んだ。ラストのバタバタは残念。かなりのページ数で胃もたれする内容だが、第二弾ともなると慣れてしまって平気になるから不思議だ。でも慣れていないとこの上下巻は乗り切れないな。

  • 烏兎の庭 第一部 書評 10.27.02
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/americany.html

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