陰陽師 瘤取り晴明

  • 文藝春秋 (2001年10月30日発売)
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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784163204802

感想・レビュー・書評

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  • イラストがあるだけで想像しやすく
    読みやすかった
    なつかしい気持ちになれた

  • 陰陽師シリーズ、ちょっと息抜きに、絵物語のほうを。こちら短編1作分くらいの長さの話に、イラストが沢山入った絵本のような1冊です。ベースになっているのは昔話でおなじみの瘤取りじいさんの話。

    平大成・中成は双子の兄弟でどちらも薬師。それぞれ左右片方に大きな瘤がある。71歳になるが健脚で連れだって鳥辺野方面へ薬草や茸を採取に出かける。紅瓜茸という茸が好物の大成は、山の奥のほうでそれをみつけてどんどん採るうちに道に迷い日が暮れてしまった。仕方なく大きな木の虚で一晩過ごそうとしていると、その木の周りに続々と異形の鬼たちが集まってきて宴会を始めてしまった。

    怖くてガクブルの大成は、気鬱に効果のある紅瓜茸(要は麻薬的な)をムシャムシャ食べて元気を出すが、効果が出過ぎて、鬼たちと一緒に騒ぎたくてうずうず、たまらず飛び出して踊ってしまう。しかしこの踊りを鬼たちが気に入り、半月後の宴会にぜひまた来て踊ってほしいと頼まれ、質として大成の瘤を取り、返してほしくば必ず来いと。

    無事帰宅した大成は、瘤がなくなってほくほく。その話を中成にすると、中成も瘤を取ってほしくて、半月後大成になりすまして鬼の宴会に出る。ところが怖くて踊るどころではなく何もできない。怒った鬼たちは、大成から奪った瘤も中成にくっつけて返す。(ここまでは昔話のいじわるじいさんのオチと同じ)

    さて次の宴会こそ大成をよこせと脅されていた中成、兄弟は困って晴明に相談してくる。そこで晴明は、自分が大成に、博雅を中成に化けるよう呪をかけて鬼たちの宴会に出かける。鬼たちを楽しませるために、博雅の中成が笛を吹くことになり鬼たちも感動してくれるが、鬼たちの中にいた朱呑童子は博雅の笛・葉二について知っており、二人の正体が露見してしまう。

    鬼たちのあいだで二人を取って食おうという話になるが、朱呑童子や、黒川主、以前出産を助けてもらった白蛇などが仲裁に入り、これから宴会の日には博雅が笛を吹くということで手打ちとなる。鬼すらも心洗われる博雅の笛、素晴らしい。

  • 絵物語陰陽師のこぶとりじいさん。

    双子の薬師平大成と中成の見分け方は左右の瘤。ところがある日、右に瘤のある大成は鬼に気に入られ「もう一度鬼たちの宴に来る」という約束をして瘤を取られてしまう。それをうらやましく思った中成は、大成の代わりに宴へと出かけるが、不興を買って大成の瘤をもくっつけられてしまう。鬼たちは大成を連れてこいというが……。困った二人はとうとう晴明のもとへかけこんだ。

    絵 / 村上 豊
    装幀 / 坂川事務所
    初出 / 『オール讀物』平成13年10月号

  • 短編1篇分を絵物語風に。話は面白かった。晴明が瘤をもらうために策略を巡らしているかんじ。今回は博雅をダシにしたように感じられた。挿絵の方は味わいがあってよかった。

  • 晴明の相棒役である博雅の笛を楽しむ話でした……
    笛を吹いている時の描写がすごくよかったです!

  • 陰陽師シリーズの絵本版。
    通常の文庫本のようにいくつか短編が入っているわけではなく、「瘤取り晴明」のみで1冊に仕立てられています。
    文と絵が非常に良くマッチしているのも、表紙の紙が和紙風というのも良いなと♪

    お話もとっても楽しい内容でした。
    どこまでもクールな晴明と、「晴明のことが大好き」という感じが言葉の端々に滲み出ている博雅。
    この二人の掛け合いは、いつも本当に面白い^^
    今回のお話では、鬼たちを前にしての二人のやり取りが特に良かったです。

    ここまで嵌ったシリーズものは、ちょっと珍しい。
    私の中での陰陽師ブームはまだ暫く続きそうな予感です。

  • ほのぼのと読めておもしろかった。絵がよくあっていてよかった。

  • 陰陽師シリーズ。カラー挿絵付き。

    昔ばなしの「こぶとりじいさん」がベースなのかな。晴明と本来関係あるのかは知らないけど、、、。
    絵本仕立てになっている作りが、この陰陽師シリーズにすごく合ってて素敵。大人の絵本という感じで味わい深い。
    たくさん出てくる妖の中に、今までに出てきた妖もあれやこれやと出てきてシリーズ読者には嬉しい限り。一話の短編程度の長さだけど、サービス満点でした。

  • 日本昔ばなしの『こぶとりじいさん』をベースにしたお話。
    絵本版なので、村上さんの味のある絵を楽しみつつ30分くらいで読めちゃう本です。
    わかりやすくて面白かった♪
    思った通りに進むお話ってけっこうストレス発散にもなります(笑)

  • 夢枕獏の本を、と思って読んだはじめの一歩。「陰陽師」って夢枕獏だったんだ、というところからスタートしているので優劣つけるに至らず。ここからである。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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