サンタのおばさん

  • 文藝春秋
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  • 本 ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163205403

感想・レビュー・書評

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  • 談話室で教えていただいたクリスマス絵本です。
    ありがとうございます!


    ミステリー作家の東野圭吾さんの絵本が『サンタのおばさん』とは、いったいどんな物語なのかと思いきや面白かったです。

    フィンランドのある小さな村で各国のサンタが10人集まりサンタ協会の会議が開かれています。

    そこへやってきた小太りの女性、ジェシカ。

    サンタ会議では日本の子供たちがゲーム機を欲しがる問題。アフリカサンタが肌の色で差別された問題等々を話し合います。

    最後にはサンタのおばさんが初仕事を終えて、自分の家にもとびきりのクリスマスプレゼントが届いたという心温まるストーリーでした。

  • 東野圭吾さんが絵本を出版されていたことに、びっくりしました。
    世の中の当たり前をひと蹴りしてくれる素敵な作品。

  • 東野圭吾氏にこの著作があることはなんとなく知ってはいたが、先月ブクログレビューを拝見して読んでみようと思い、年末に図書館で借りた。

    絵本なのか絵本ではないのか、微妙なところなので、カテゴリ「絵本」には入れないことにする。

    内容及びこの絵本なのか絵本じゃないのか微妙なところが、どういう層をターゲットとして出版されたものなのか、ちょっとよくわからない。

  • 東野圭吾さんの絵本という事で読んでみたかった。
    父親と母親の役割、ジェンダーや人種差別と言った内容が盛り込まれていて大人向けの絵本という感じ。
    でも杉田比呂美さんの可愛らしい画もあって素直に読める素敵な作品。

  • 10年以上前に読んでからの再読。

    約20年前に書かれた本ながら、ジェンダーや人種差別、現代の父親像や少子化問題をさらっと書いてる東野圭吾は流石。

    中学生の読み聞かせにと思ったけど、ちょっと長いからブックトーク的な紹介が理想かな。

  •  サンタクロースは、どんな人なのだろう?
     白い髭に赤い衣装のおじさん?おじいさん?というイメージだか、国が異なると、事情も少しずつ異なり、日本からは、おばさんサンタが応募する。
     クリスマスに向けて、世界中のサンタクロースがメンバーや準備について話し合うのだか、国ごとに特徴があって実にかわいい。東野先生の物語に杉田先生の絵がとてもマッチしていて、大人も楽しく読むことができる物語だった。

  • 東野圭吾による絵本です。私にとっては初めての東野圭吾がこれ 笑
    初版が2001年のようですが、男女や人種の役割への思い込みに触れていて、最近論じられる社会問題にも通じています。

    ===

    世界中の子供達にプレゼントを配るサンタさんは、実は11人いるんですよ。アメリカ・サンタ、日本・サンタ、イタリア・サンタ…11人のサンタさんは、毎年フィンランドに集まってサンタ会議を開きます。今年は新しくアメリカ・サンタを決めることになっています。紹介された新しいサンタ候補を見た他のサンタたちはびっくり。だって女性だったんです。
    サンタといえば男性でしょ?父親の象徴でしょ?元となったセント・ニコラスだって男だし、サンタは赤い服にひげを生やすんだし…
    「いやいや、わたし、オセアニア・サンタは、真夏のクリスマスにサンタスタイルは暑いので、アロハシャツでサーフボードを認めてもらってますよ」
    「わたし、アフリカ・サンタは黒人ですがサンタに承認されましたし、ライオンに襲われないように赤は免除にさせもらってますよ」
    そう、サンタたちは、人間の生活の移り変わりとともに、みんなで話し合って人々にあったサンタを承認してきたのです。それなら女性がサンタだって良いではないですか。
    そしてアメリカ・サンタ候補の女性は言います。「私にサンタになって欲しいと言ったのは、私の息子です。息子の父親は亡くなりました。でも息子は『ママはパパの分も僕を愛してくれるって言ったじゃないか』っていうんです」

    人間の風習は、その時々で変わってきました。
    姿形に拘る必要はないではないか。

    こうして新アメリカ・サンタが誕生しました。
    初仕事は上々です。もちろん息子も大喜び。
    そしてクリスマスイブの仕事が終わった深夜、母と息子は新たな家族を…。

    ===

    初、東野圭吾がこれでした 笑
    絵も可愛らしくて(ただしサンタのおばさんは『小太り』って書いてあるけれど、挿絵ではすっきりした可愛らしい風貌というのが本文に合わない…。「姿形にこだわるな」がテーマの一つなんだから無理にスレンダーに描かずに小太りな挿絵でいいじゃん。。)、11人のサンタたちが、アフリカサンタは緑のマント使用だったり、日本サンタはこたつでくつろいでいたり、オセアニアサンタはビーチでおやすみだとか、個性豊かです。
    サンタの歴史についても、モデルはトルコのセイント・ニコラスということなど、さり気なく知識的なことも書かれています。

    しかし言っていることはなかなか切り込んでいる。
     セイント・ニコラスってそもそも白人じゃないよね?だったら女性でいいじゃん。
     父性を与えられるのは男だけとは限らないし、母性を与えられるのは女性だけとは限らない。
     日本の子供たちにはみんなゲーム上げればいいから日本サンタは楽だよね。
     最近は父権が失墜しているので、サンタは最後の砦なんだ!いやそんなものをサンタに求めるな。
     子供たちはお金さえくれれば父親でなくてもいいんじゃないか。

    これらを「絵本」としてでほんわかした雰囲気を持たせて書くのですからやっぱり東野圭吾すごいですね。
    そして物語のラストでは、人間の、大人のロマンスもちょっと漂います。

  • サンタの現実…みんなに夢を届けようとすると細かい決め事が存在するんだな笑。サンタになる為の条件を各国のサンタが真剣に議論してて面白い。

    日本サンタは日本が少子化でプレゼントが少なくて済む、ゲーム機だけ配ってればいいと周りから若干バカにされてる笑。発言したと思ったら、サンタが父性の象徴。父親の地位の失墜につきサンタは父親たちの最後の砦 笑。個性がしっかりあっていい感じです!

    心温まるストーリになっています。絵本だけど漢字や表現が難しいから小学生向けでなくて、中学以上?向け。カラーのイラストがキレイでかわいいので、全ページカラーだったら尚良し。

    絵本の東野圭吾もとてもいい!

  • 東野圭吾さんの絵本というだけで、テンションが上がりました!でも子ども向けというわけではないみたいでした。クリスマスの絵本はいろいろありますが、さすが東野圭吾さん。他にはないテーマでした。こんな風にサンタ会議開かれてたら平和になりそう。

  • 東野圭吾さん、ミステリーだけじゃなくて、ほっこり系も執筆する事に驚き!そして、面白い!!!
    サンタクロース=男という固定概念があり、女性がやってもいいじゃない!という、現代に対応したサンタクロース物語だなぁと。
    まさかの最後、そういう展開とは。。。笑笑

    あと、杉田比呂美さんの絵もすごく可愛くて癒される!!!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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