初春弁才船 御宿かわせみ

平岩弓枝

• 文藝春秋 (2001年11月29日発売)

感想・レビュー・書評

[emiさんの感想 · 2012年9月26日]

お宿かわせみシリーズ。原作を手にとるのは初めて。ドラマで見たことがあるお宿かわせみの情緒が原液で堪能できた。東吾の視点で描かれており、るいが主役だったドラマの方と違って、事件に対しての行動半径が広く、男社会を垣間見る感じ。事件系だけでなく、人情系、歴史の勉強系と、豊かなテーマが面白い。

[ちゃげさんの感想 · 2010年7月9日]

御宿かわせみシリーズ７編。幕末世相の色が濃くなってるかな。事件、人情適度のややマンネリ編。子供達の場面も少なく、「メキシコ銀貨」は今後の布石。個人的には甘いけど表題作がまぁまぁ。ともあれシリーズとしては平均点だが、シリーズ自体は高レベル。まだ続いているのかな？

著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』（たがねし）で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2019年 『新装版　はやぶさ新八御用帳（十）　幽霊屋敷の女』 で使われていた紹介文から引用しています。」