- 本 ・本
- / ISBN・EAN: 9784163206509
作品紹介・あらすじ
「私、結婚するかもしれないから」外国帰りの男とのてんまつは…?第126回芥川賞受賞作。文学界新人賞受賞作を併録。
感想・レビュー・書評
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サイドカーに犬が好き。猛スピードで母はも良かった。心理描写が素敵です。感情移入がしやすいし、そのため自分の事のように読み進められた。
人生いろいろだ。生きてるって素晴らしい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子供は親を選べない。
育つ環境も選べない。
身勝手な親に振り回され、
不安に怯えながら過ごすしかない。
親たちも生活することに必死だった。
不器用な愛情表現しかできない親もいる。
子を思う親の気持ちは形が違っても同じくらい熱い。
昭和の懐かしい風景や音楽など、
懐かしく、せつなく感じた。
麦チョコ、食べたくなった。 -
2021年10月
読みながら、わたしが幼かった時の母を思い出した。主人公の母とわたしの母は状況から言えばほとんど共通点はないのだけれど、子どもからすると母親というものに対する印象というのは何かしらの共通点があるのかもしれない。そういえばわたしの住んでいた街の水族館にもトドがいたなぁ。独特の郷愁。 -
子ども目線ってこんなもんかも。私も1話目の方が好みでした。
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親がどうであれ、子どもはしっかり自分で考えて生きてるんだなー。家庭環境は良くない2編の短編だけど、どちらもあまり暗くないのがいい。
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図書館で、映像化された作品を集めた特設コーナーにて目に止まり借りてみました。
短編2作品で「サイドカーに犬」の方が映画になっている模様。
なるほど、映画向けのストーリーだなと思いました。
映像の方がしっくりきそう。
表題作の「猛スピードで母は」と共に子供の目線で描かれた大人の世界。
大人の人間関係なんてよく分からないけど、子供はしっかりと見ているんですよね。
子供目線なんで、すこし靄がかかった様な核心には届かない様な描写が逆に切なく感じました。
私的にはあまり心に残る文章ではなくさらりと読み終えてしまいました。 -
日曜の朝の対談番組に、綿矢りささんと名久井直子さんとともに出ていた。
タイトルを背表紙でみて気になっていたのもあり、読んでみた。
サイドカーに犬 の方がすっきりしていて好きかも。
洋子さんの人柄が好きです。
麦チョコの扱い方とか、コーラを飲むと骨がとけるだとか、それでいて芥川を読んでいるところとか。
映画も見てみたいと思った。
猛スピードで母は は、なんだか全体が薄暗い感じで。
芥川賞の本ちゃんと読んだのこれがはじめてかもしれない。 -
子供の視点から、父毋を描いた「サイドカーに犬」とやはり子供の視点から母を描いた「猛スピードで母は」の2作品を収録。
両作品とも淡々と日常を描いているが、文章の裏側にある、サイドストーリーを連想させるという高等テクニックを駆使しています。
お気に入りは「サイドカーに犬」で、家出した母の後釜に父の愛人が家に住み着くという話。
破天荒なタイプの父親が家庭をかき乱す原因なのですが、淡々進行していくので、あまり悲壮感を感じさせない。ただ、ところどころで、男女の愛憎をかいま見せるので、これが不意を突かれた感じでドキッとしたりします。
ウマイ!
行間に滲み出す、登場人物の感情が、読み終わった後に、余韻を残してくれてよかった。
ただ、最後の1行は、もっと効果的な使い方ができたのでは?と思います。
「猛スピードで母は」も、一見自由気ままに生活していると思っていた母親が、ある恋愛を通してシングルマザーの悲哀をさらけ出すあたり、非情によかった。
全体的に、重層的に世界を構築しているので、非情に深みを感じる作品だと思いました。
ただ、個人的な好みを言えばもっとサプライズがあった方が好きなので、☆3つ。 -
とっても淡々とした語り口なのに、思わず「わはは」って笑かせられたり、すんごく切ない気持ちになったり。きっと、この作者の人は、照れくさくって、ダイレクトな愛情とか思いやりとかの言葉を口にしないんだけど、人一倍感じやすい人なんじゃないかと思いました。
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芥川賞受賞作品なので読んでみました。
あまりクライマックス的な山場は無いです。
信念のある少し変わった大人の女性がでてきますが、子供を子供扱いせず思い切った行動にでるあたりとても魅力的でした。
著者プロフィール
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