あべこべ

  • 文藝春秋
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感想 : 3
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  • 本 ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163208305

感想・レビュー・書評

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  • やっぱりこの空気感・・・すきだな~~・・・。
    老作家である「わたし」と不思議な距離でやり取りしている風変わりな古い女優の弥勒さん。
    弥勒さんとのひとときには、必ず「わたし」の昔の女性の影がそこかしこに顔を出して・・・。
    此岸のどこかで起きたある日の記憶。

  • 「私」と、性別年齢自在の声を持つ古くからの女優・「弥勒さん」、
    上の階に引っ越してきたフランス文学専攻の文学者「穴さん(合田)」、
    「私」付きの編集者「眠さん」、骨董店我乱堂店主「二股さん」の
    どこかおかしな雰囲気漂う5人が繰り広げる、物語九編。

    久世さん……やっぱり良いです…。
    九編すべてに、どこか死を思わせる燻りが
    そっと忍ばせてあって、陽の差す時間の
    描写でも、心地よい湿り気のような、
    すごく惹かれる空気が漂っていて、
    読んでいて気持ちが良い。
    読み終わるのがもったいないような。
    最後にはじわっと泣けてきてしまいました。
    また読み返したい一冊です。

    しかし、私の中で「弥勒さん」のイメージって、
    樹木希林さんなんだよなぁ…w
    表紙に描いてある人、似てない?
    (この表紙の装画が建石修志さんっていうのも意外だw)
    で、文中に蚊島さんて出てくるけど、鹿島さんだよね多分w

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著者プロフィール

久世光彦

一九三五(昭和十)年、東京生まれ。東京大学文学部美術史学科卒。TBSを経て、テレビ番組制作会社を設立、ドラマの演出を手がける。九三年『蝶とヒットラー』でドゥマゴ文学賞、九四年『一九三四年冬――乱歩』で山本周五郎賞、九七年『聖なる春』で芸術選奨文部大臣賞、二〇〇〇年『蕭々館日録』で泉鏡花賞を受賞。一九九八年紫綬褒章受章。他の著書に『早く昔になればいい』『卑弥呼』『謎の母』『曠吉の恋――昭和人情馬鹿物語』など多数。二〇〇六年(平成十八)三月、死去。

「2022年 『蕭々館日録 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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