イン・ザ・プール

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163209005

作品紹介・あらすじ

トンデモ精神科医伊良部登場!深夜のプールに忍び込みたいと思ったこと、ありませんか?水泳中毒、ケータイ中毒、持続勃起症…ヘンなビョーキの博覧会。新・爆笑小説。

感想・レビュー・書評

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  • 「精神科医 伊良部一郎」シリーズというから、てっきり柚木裕子さんの「検事 佐方貞人」シリーズを連想して、手にとった私がバカだった
    深刻な医療ものかと思いきやコミカルな話だった

    「罪の轍」や「オリンピックの身代金」「サウスバウンド」ですっかり奥田英朗ファンになってしまった私
    奥田さん、こんなのも書くんだ

    患者を「いらっしゃーい」と診察室に迎えるやいなや
    「はい、注射!」の注射フェチの伊良部先生
    精神科医というから、線の細い神経質そうな、もしくは患者の悩みを一手に引き受ける包容力のある笑顔溢れる先生かと思いきや、色の白い小太りのどこに首があるか分からないようなトドのような風貌
    俳優の六角精児さんを想像してしまった

    ストレスによる不定愁訴、携帯依存症、自意識過剰、強迫神経症・・・診察に訪れる患者の症状も様々、しかし、現代人誰しもがちょっと自分もかも?と、心当たりがありそうな気がしてしまう

    伊良部先生、治療法もお気楽そのもの、患者の意識を軽くしようとしてふざけているのか、地なのか、さっぱり読めない
    でも意外と名医なのかもと思わせる何かは確かにありそうだ

  • おかしな精神科医・伊良部シリーズ第一作。
    久しぶりの再読だが、やはり笑える。
    どこまで本気なのか冗談なのか、遊びなのか治療なのか。
    『カウンセリングなんてしないよ。ああいうの、何の役にも立たないから』という潔い態度が良い。
    話は聞かない、ただどこまでも患者に付き合う。
    段々とこれも一つの治療法か?とも思えてくる。

  • おもしろかった。楽しい時間を過ごせた。
    ちょっとどころか相当変わった神経科に通う人々と、おかしな医師と看護師。
    そこまではいかなくても、誰しもある心の歪みと苦しさが楽になっていく様子にほっとする。
    私もマユミさんと友だちになりたい。

  • 面白かったです
    変わった先生がいる神経科の話し
    知らない様々な症状があってどの話も面白かった
    空中ブランコも読みたくなった

  • お勧めされて、この作家さんの本を初めて読んだ。

    依存症、被害妄想、神経症など、現代的な悩みを、注射フェチでロリコンでマザコンの中年太りの医学博士(ホントに⁉︎)の伊良部が…解決…してるんだろうか…
    という短編集。

    人気があるのは、わかる気がする。
    軽い文体、伊良部の超絶ナンセンスな言動、なのに何故だか患者は、何となく治って?現実との折り合いををつけめでたしめでたし。

    うーん、まぁ読んでる間はそこそこ楽しめるけれど、続編も読もうというほどではなかったなぁ。

  • 面白かったです。

    この作家さんの作品を初めて読みました。
    他の作品も読んでみよ。

  • 図書館でイン・ザ・プールを見つけたので即借りた。先に空中ブランコを読んだので順番が逆になっちゃったけど。

    伊良部先生、最高。「空中ブランコ」とハチャメチャぶりは一緒だけど、この「イン・ザ・プール」のほうがもっと人間味が感じられるような気がする。

    携帯依存の高校生の話しがあったけど、本当にこういう子って多いんじゃないかな。多くの友達に囲まれて、予定をいっぱいにすることが安心感に繋がる年齢だしね。友達がいない、と自分からハッキリ言う伊良部先生や看護師のマユミさんからこの高校生も何かを学んで行きます。いい話しだった。

    「コンパニオン」の患者はストーカーがいると妄想する自意識過剰な女。「いてもたっても」は自分の留守中に部屋から火事を出してしまうのでは?と不安な強迫神経症の男の話し。これらもやっぱり実際に多そうな話しだ。

    「いてもたっても」の患者曰く「伊良部の精神科医も転職だ。人を深刻にさせない天性のキャラクターだから」。本当にそうだ。意識してそうしているのか、無意識なのか。クリスマスイブの夜、携帯依存の男子高校生を病院でのディナーにさりげなく誘うシーンでは伊良部先生の良さがすごく現れていた。

    • christyさん
      やっぱりいいですよね~、伊良部先生!!
      携帯依存症の話、分かりますよね。群れてないと不安になる年頃ですもんね~。この年代のときに、1人でいる...
      やっぱりいいですよね~、伊良部先生!!
      携帯依存症の話、分かりますよね。群れてないと不安になる年頃ですもんね~。この年代のときに、1人でいることができた友達って、今から考えるとすごかったかも。
      私は、軽い強迫神経症があるので「いてもたっても」は、ものすごく真剣に読んでしまいました。それなのに、この作品だけ明確な回復したというendingがなかったので、かなりへこみました(苦笑)。ま、でも伊良部先生みたいに考えればいいかと思いましたが。。。
      携帯依存症の男の子をdinnerに誘うシーン。私も大好きでした!!
      2012/04/24
    • reader93さん
      christyさん、コメントありがとうございます!私も時々「強迫神経症かしら?」と思う行動をします。火の元とか気になると何度も確認しちゃった...
      christyさん、コメントありがとうございます!私も時々「強迫神経症かしら?」と思う行動をします。火の元とか気になると何度も確認しちゃったり。ストレスの多い現代人は皆多かれ少なかれ何かしら問題を抱えているのかもしれませんね。
      確かに10代の頃、1匹オオカミでいられた人ってすごいですね。カッコいいよね。
      カウンセリングの効用を信じない伊良部先生だけど、先生の言動自体が患者さんにとってはいいセラピーになっているんだろうなぁ。
      ディナーに誘うシーン、本当にいいですよね!この本って映画になっているそうですね。今度見てみたいなぁ。
      2012/04/24
  • 親知らず4本を抜くために入院した病院の休憩室で見つけたので速攻手に取った。
    映画版が大好きなので読みたいと思っていたから。

    真面目で仕事熱心な人ほど狂ってしまう要素が多いのかなと思った。
    この登場人物たちは常軌を逸しているけど、割と誰にでもある習慣・感覚であってそれが肥大化してしまうことで日常が不自由になってしまう。
    自分はこれを読んで笑えるくらいには楽観的なのかもしれない。
    心配性気味ではあるけれど、「心配は人がするもの」と気楽に構えて生きていけたら。
    伊良部一郎先生のように

  • 伊良部総合病院の精神科医・伊良部一郎が主人公のこの小説。理屈抜きで面白いのです。
    時々、ぷっと吹き出してしまう・・・。お気に入りのカフェでは読めない、危険な小説です(笑)。

    そんな伊良部シリーズがTVドラマ化されるのを今日、知りました。
    1月30日からテレビ朝日でDr.伊良部一郎 として放映されるらしいのですが・・・
    伊良部一郎を演じるのが徳重聡さんって・・・私のイメージとは全然違う
    看護師のマユミちゃんが余貴美子さんって・・・
    余貴美子さんは大好きだけど、ちょっと違うと思うのですが・・・

    私にキャスティングさせてもらえるなら・・・伊良部一郎は田口浩正さんだわぁ~!!
    これは、我ながらナイスキャスティングだと思うのですが~
    看護師のマユミちゃんは悩むところですが・・・小池栄子さんなんていいんじゃないの~
    って誰にも頼まれてないのに勝手にキャスティングして遊んでしまいました。

    • 杜のうさこさん
      はじめまして♪杜のうさこです。

      遅くなりましたが、リフォローありがとうございました。
      それと、いいね!をいつもありがとうございます。...
      はじめまして♪杜のうさこです。

      遅くなりましたが、リフォローありがとうございました。
      それと、いいね!をいつもありがとうございます。とても嬉しいです♪

      この本、面白いですよね~
      私も奥田英朗さん大好きなので、この本もぷぷっと吹き出しながら読んだ記憶があります。
      そしたら先日、病院の待合室に置いてあったんですよ。
      ここでこの本を読むのはマズイなあと思いながら、
      読んでしまいました~。
      それも#義父のヅラを(笑)

      私も配役には、???でした。
      同じく田口さんに一票です♪

      では、今後ともよろしくお願いしますね(*^-^*)
      2015/09/27
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん

      初めまして!
      こちらこそ、ありがとうございます♪
      今日はコメントもいただいて、とっても嬉しいです♪

      はい!
      ...
      杜のうさこさん

      初めまして!
      こちらこそ、ありがとうございます♪
      今日はコメントもいただいて、とっても嬉しいです♪

      はい!
      この本、面白いですよね~
      私も大好きです。
      あらら~、この本が病院の待合室に置いてあるなんて!
      その病院のドクターもなかなかですね~^^

      こちらこそ、これからもよろしくお願いしますね(^O^)
      2015/09/27
  • ずっと読んでみたいと思いながらも、いつでも手に取れると、ついつい後回しになっておりました。

    伊良部先生いいですね。マユミちゃんもすごくいい。

    最初は「わざと?」「巧みに計算された演技?」と思ったりもしましたが、幼稚で我が儘な馬鹿野郎でした。と言っても、ちゃーんと精神科らしいこともポイントで抑えていて、そこがこの伊良部の不思議な魅力なんだと思う。

    「二度と来るものか。」と一度は引くのに、何故かまた地下室へ訪問してしまう患者たちもまた愛すべきキャラである。

    マユミちゃんが、どうしてもRYOに見えて仕方ない私でしたが、映画はどうやら違う方のよう。診察室のおかしな2人が、どんな風に映像となって楽しませてくれるのか、こちらもいつかはチェックしたいところです。

    強迫神経症・自信過剰・依存症・・・自分も「?!」と思い当たるふしがある?また身近に心当たりのある人が…と現代人の身近な心の病を痛快に最後は爽快に解決してしまう天才精神科医!か?

    数々の奇行はともかくとしても・・・鼻をほじくるのはいただけない・・・。
    ダメ出しをするとするならば、そこのみです。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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